メッセージ

2011年11月16日の記事

2011/11/16(水)人間の眼に近づく日はいつ?

 空想の世界では、ロボットが人間と一緒に暮らしています。現実の世界では、HONDA のアシモが、やっと原発のバルブを閉められそうなレベルまできたところです。鉄腕アトムみたいなロボットは、まだまだ先の話ですね。

 眼の仕組みをおさらいしていて、フィルムよりデジタル式のほうが、人間の眼に近いような気がしてきました。光を電気に変えることで、物の色や形を認識するのは、眼の網膜も撮像センサーも同じです。
 デジカメは電子回路、人間は脳が画像処理をします。ハロゲン化銀で光を捕捉し、化学反応で画像を生成する銀塩方式は、眼の仕組みとは似て非なるものでした。

 4素子ひと組で三原色を捉えるベイヤー配列は、眼の構造とどこか似ています。網膜の視細胞すべてが三原色を同時に捉えているわけではないからです。RGB 別に役割分担しています。
 しかも、明るい光に反応する錐体は色を感知しますが、弱い光に反応する桿体は色を識別できないそうです。これらの情報を脳でミックスして、物の形や色を総合的に判断しています。

 眼にはマリオット盲点というのがあって、その部分では光も色も感じないはずです。では視界の中に黒い斑点があるかというと、何もないですね。周りの情報を元に、欠落した部分を脳が補完しているからです。(それ自体が見えないから盲点?)

 人間の眼は高性能ですが、見たいところ以外はぼやけています。眼をキョロキョロさせて全体像を把握します。写真の場合、多くは画面の隅までシャープさが求められます。人の視覚よりも厳しい条件をクリアしないといけません。

 写真が発明されてから約 170 年の間に、よくここまで進歩しましたね。デジタルカメラが世に出てから、わずか 20 年ほどです。人間の眼に近づく努力は、まだまだ続きます。
OK キャンセル 確認 その他