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2008年11月11日の記事

2008/11/11(火)留袖の家紋と女紋

 以前にも話題にしましたが、結婚式に登場するマークに「家紋」があります。
 和婚が減ったので、紋付姿は少なくなったものの、ご婦人方は和装が多いですね。家紋の入った留袖です。

 留袖は、慶事の礼装として昔から使われてきました。親族の既婚女性は黒留袖、未婚女性は色留袖というのが一般的な使い分けです。(若い娘なら振袖でも礼装になります)
 五つ紋の黒留袖が最高礼装です。色留袖でも五つ紋なら同格とされていますが、母親は黒留袖が圧倒的に多いですね。

 地方の地主の息子が結婚したときには、新郎側親族の女性全員が黒留袖、新婦側親族の女性全員が色留袖だったそうです。
 その土地の習慣なのか、事前に話し合ってそう決めたのかはわかりません。新郎側を立てるために、新婦側は色留袖にして一歩引いたのかもしれませんね。

 留袖の家紋は、家の家紋とは限りません。普通「家紋」というのは男紋で、女紋は別の場合があります。
 もうひとつ、貸衣裳で済ましていたら、家紋が合っているかどうかわかりません。最近では、和装離れでレンタル衣裳を利用するひとが増えています。

 貸衣裳の留袖によく使われる家紋があります。代表的なものは五三桐(ごさんのきり)です。中央の花が五つ、両脇の花が三つの桐の紋様です。
 鳳凰がとまる木とされる桐の紋様は、朝廷の菊の御紋に代わる替紋(五七桐)で、古くから将軍家に下賜されてきました。織田信長は室町幕府の足利家から、豊臣秀吉は朝廷と信長から拝領しています。(徳川家康は下賜を断ったとか)

 簡略形の五三桐の留袖は、親族や知人の間で貸し借りしてもよいことになっています。ほかにもその土地で習慣的に使われてきた家紋があります。
 早とちりして、留袖の家紋をアップで・・なんてのは、やめといたほうがよさそうですね。
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