メッセージ

2010年12月20日の記事

2010/12/20(月)モノクロのデジタル写真3

 フィルムに比べて後処理に融通性のあるのが、デジタル写真の特徴です。プリント仕上げが重要なのは銀塩と同じですが、ここでも用紙の選択肢が広くなっています。
 選択肢が広いということは、ミスマッチの可能性が高いことの裏返しでもあります。プリンターと用紙の組み合わせによって、印刷モードの設定を変える必要があります。これがやっかいです。

 フィルムの場合は、印画紙しか使えません。現像処理で多少の変化は出せますが、基本的に選択肢はひとつです。アートエマルジョンでも使わない限り、印画紙以外にプリントするのは不可能です。
 インクジェットプリンターは、和紙などに写真を印刷することができます。プリンターメーカーから供給されていない紙の場合、どのモードで印刷するかは、自分でテストして判断することになります。

 「酸化セリウム」の御曹司がコンテストで入賞した作品には、用紙に下地加工が施されていました。市販品ではなく自分で加工したオリジナル・ペーパーです。
 納得できる仕上りにするまでには、ずいぶん苦労したと思います。テスト刷りの紙が何枚も積んでありました。

 小型のプリンターでテストして、大型プリンターで本番・・という方法が使えないのが辛いところです。プリンターが変われば発色も変わります。インクとソフトが違うからです。
 愛用のプリンターが壊れて新型に買い換えた場合は、色出しテストを初めからやり直すことになります。

 モノクロはカラーと違って簡単では?と思う人もいるでしょうが、黒の発色とトーンはモノクロ写真の命です。
 昔から、「黒の締まりと白の抜け」と言われるように、シンプルなだけにシビアなのがモノクロ写真の難しいところです。
OK キャンセル 確認 その他