成人式の振袖は、広告写真を真夏に撮りますが、夏の水着の撮影は真冬に行います。ロケ地に南国の海辺が多いのは、こうした事情もあるみたいです。
「酸化セリウム」の先生は、毎年2月になると海外へ水着の撮影に出かけていました。タイあたりのリゾート地が多かったようです。
海外ロケに切り替える前は、国内でロケでした。いくら引っ張っても3月中に撮影を終えないと、商戦に間に合わないそうです。陽気のいい日に当たればラッキーですが、こればかりはお天気任せです。適当なロケ地が少ないのも難点でした。
海外ロケに切り替えた初めの頃は、日本からモデルを連れて行っていました。テレビCMに出てくるようなモデルは、ギャラが結構高いんだそうです。自分の取り分がモデルに食われてしまった・・と嘆いてました。
そこで一計を案じて、モデルは現地で調達することにしました。モデルは世界中を巡回しているから、何人かは現地にいます。募集をかければ、そこそこの人数が集まります。
オーディションで3人雇っても、日本からモデルを連れて行くより安く済んだそうです。
定番の海辺のカットのほかに、ジャングルで撮った写真がありました。いかにも南国といった雰囲気です。聞いてみたらグラウンドに建て込みを作って撮ったそうです。なんで?
本物のジャングルに一歩でも足を踏み入れたら暗くて撮れない・・と先生は言います。虫やヘビもいます。手前の草を除けると、後ろには植木鉢とビールの空きケースが並んでいるんだとか・・・
コマーシャルは、やることが大掛かりですね。1枚のポスターに何百万も掛かるはずです。
コマーシャルから足を洗って、いまでは海外ロケに行く機会はなくなりました。今年プライベートで行ったスペインには、カメラは一切持っていかなかったそうです。ライカ M9 があったら持っていったかも?