2008/07/27(日)望遠鏡での撮影

 結婚式の撮影にはあまり出番のない超望遠レンズですが、人間の視覚を超えた世界が写せるのは魅力があります。
 スポッティングスコープなどの地上用望遠鏡以外に、天体望遠鏡を利用する方法もあります。合成焦点距離は、こちらのほうが長くなります。

 写真撮影用の超望遠レンズと眼視用の望遠鏡では、基本的な構造は似ていますが、若干の違いがあります。
 一般論として、交換レンズを望遠鏡に代用すると、見え味が甘くなる傾向があります。逆に望遠鏡での撮影は、画像に乱れが出る場合があります。
 画面全体を平均的に整える撮影用レンズと、画面の一部(中央)だけシャープさを要求する眼視用レンズとの差が、撮影結果に現れるわけです。

 手元にあるシュミットカセグレン式の天体望遠鏡は、焦点距離が1200mm、有効口径が125mmです。アダプターを付けて一眼レフボディーを装着すると、1200mm F9.6の反射式望遠レンズになります。アイピースを使えば、もっと超望遠になるけどね。
 ケンコーから発売されていた望遠鏡ですが、製造元は日本特殊光学(JSO)です。愛知県にあった光学メーカーです。山田坂雄社長一代限りで廃業してしまいました。
 同社のシュミットカメラを愛用していた天体写真愛好家は、かなりいたと思います。(いまでもいるかな)

 天文機材を扱っていたひとの紹介で、山田社長からお話を伺ったことがあります。いかにも光学好きの技術者というかたでした。
 タムロンから発売されたカタディオプトリックタイプ(特殊光学系)の交換レンズSP500mm F8の技術が、天体望遠鏡に応用できないか?といった質問をした記憶があります。マンギンミラーの応用です。

 その後、お会いする機会もなく他界されてしまいました。廃業したのは、きっと後継者がいなかったんでしょうね。
OK キャンセル 確認 その他