2009/07/13(月)ストロボの自動調光

 一眼レフのデジタル化で、ストロボの調光方式が変わりました。
 ストロボ単体で調光する外光式オートから、露光中の光を測るTTL自動調光式に進化して、それで終わりだと思っていました。ところが、デジタル一眼レフには、別の調光方式が採用されています。

 メーカーによって呼び名は違いますが、どれもプリ発光方式のTTL調光です。ニコンは i-TTL、キヤノンは E-TTL、ペンタックスは P-TTL という言い方をしているようです。
 フィルムと撮像板(CCD/CMOS)の反射率が違うので、従来のTTL調光では不都合があるからでしょう。事前にプリ発光させて本番の光量を決めるやり方に変わりました。

 内蔵ストロボを使って、外部ストロボをワイヤレスシンクロさせると、同調不良を起こすのは、このプリ発光が「悪さ」をしていると考えられます。以前、このブログへのコメント投稿でも、そういう指摘がありましたね。
 通常では目で確認できないくらいのタイムラグですが、露光前にプリ発光していれば、同調不良の原因になります。

 プリ発光方式のTTLを採用しているカメラの多くは、従来のTTL機能が使えない仕様になっています。調光精度がどうこうというのではなく、機種によっては全力発光にしかなりません。
 ストロボ自体に光量調節機能があれば、光量を絞ることはできますが、自動調光は働きません。オートストロボが単なるマニュアルストロボになってしまいます。
 それなら、前時代的な外光式オートストロボの方が便利です。

 カメラを買い換えた途端に、外付けのストロボまで買い直すハメになるなんて、財布に優しくない「改良」ですね。エクソシスト バウンスがてきる高いストロボを没にするのは断腸の思いです。(エクソシストとは首がグルリと回るさまを勝手に例えたもので、一般用語としては定着しておりません・・念のため)

2009/07/12(日)デジタル一眼レフと動画

 銀塩の究極8x10に変化はないけど、デジタル一眼レフは新製品が目白押しです。画素数も上がってきたことだし、そろそろ買い増しを考えないと・・・

 各社の新製品をチェックしていると、どうもこちらが期待しているのとは別の方向に向いているような気がします。今年になって発売されたカメラは、動画対応に力点が置かれているようです。
 フォーカルプレーンシャッターとミラーを備えた一眼レフカメラで、動画を撮るつもりはありません。バルブで露光しているようなものです。
 露光(撮影)中にフォーカシングするには、従来の交換レンズでは不都合があります。ムービー専用のカメラに劣る機能で勝負するのは、一眼レフのスペック向上とは言えないのでは?

 動画が不要なら使わなければいい・・という声が出そうです。でも、その分価格が割高になります。まず使うことはないから、無駄な出費です。
 普及機に付加価値をつける程度の発想なら勝手にどうぞ・・と言えますが、写真を撮る目的で作られたカメラなら、ほかにもっと力を入れるところがあるだろうに・・と言いたい気分です。

 撮像板から直接情報を読むのなら、ついでに顔検知機能も・・なんて発想もいただけません。コンパクトカメラに任せておけばいいことです。
 50人の顔を瞬時に検知して、撮影者が決めた設定とカメラが選んだ設定を同時に2コマ記録する・・というのなら、集合写真のときに使えそうですが・・・

 おそらくハイエンド機に動画機能を搭載することはないと思います。動画対応が気に入らなければ、そちらをどうぞ・・というのがメーカーの言い分かもしれません。
 フィルムカメラでもハイエンド機には、内蔵ストロボはありませんでした。フラッグシップには、素人受けを拒否する気高さがあります。同時に、お値段も・・・

 一般受けしなければ、量産してコストダウンはできません。各社の動向を見ていると、どうやら新製品のデジタル一眼を「動画機能を無視して使う」のが、経済的な選択のようです。

2009/07/11(土)8x10でカメラの原理を学ぶ

 中判には自動焦点・自動露出のカメラがあります。4x5インチでも連動距離計付きのハンディータイプが世に出ています。でも、フォーマットが8x10インチになると、そんな便利な機能を備えたカメラはありません。
 カメラは、レンズとフィルムの間を遮光する ただの暗箱にすぎません。(アオリ機能はありますが・・・)

 シノゴ(4x5インチ)を使い慣れた人でも、エイトバイテン(8x10インチ)を手にした途端に、面食らうことになります。
 フィルムサイズが大きいから、カメラ自体が大きいのは当たり前だとしても、使うレンズがシノゴとは違います。使い慣れたジンマーの150mmやCMフジノンの210mmは、何の役にも立ちません。イメージサークルが小さすぎるからです。

 バイテンの標準レンズは、300mmです。しかもイメージサークルが大きなものしか使えません。フィルムの面積がシノゴの4倍というのは、想像以上のギャップです。
 フィルム式の一眼レフに、APSCサイズのデジカメ専用レンズをつけるとケラレを生じます。135フルとAPSCは、面積で2倍も違いません。「○ミリ以上なら135フルでも使えた・・」という書込みをネット上でよく目にしますが、そんな微笑ましい世界とは違います。
 レンズボードにピンホール(針穴)を開けて、レンズなしで撮るという「秘技」もありますが・・・

 バイテンのカメラをいじっていると、カメラとは何か?、レンズとは何か? ということが、身をもって体験できます。
 蛇腹を繰り出してピントを合わせ、露出を合わせてシャッターを切れば、数百万円出して買ったデジカメよりも高画質の写真が写ります。前時代的ですが不思議な世界です。

 ハイテクのデジタル一眼レフは、それとは対極の位置にあります。両方を使いこなせれば、とりあえず21世紀初頭の写真の世界で、アナログとデジタルの両極端を習得したことになるのでは?
 バイテンのピントグラスをデジカメで複写して、顔認知やHDR合成を試してみる・・なんてのではダメですよ!(遊びならいいけど・・)
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