2008/05/21(水)ワイドでメタボ予防

 何の目的もなくフラっと外に遊びに出るときには、単焦点レンズのカメラを持っていくことをお薦めします。ズームしか持っていないひとは、ズームリングをテープで固定します。一番ワイド側がいいでしょうね。

 写真が撮れる焦点距離(画角)が決まっているので、自分が動いてフレーミングすることになります。この制約が写真上達の極意です。
 望遠レンズは、いいとこ取りの「切り抜きレンズ」なので、メタボ解消にはあまり貢献しません。ワイドレンズは、フットワークがモノをいうので、メタボ防止にうってつけのレンズです。

 ワイドレンズ1本だけで写真を撮る訓練を積んだひとは、レンズの極意に一歩近づくことができます。「パースペクティブ(遠近感)」の概念を手にすることができるからです。
 私も学生時代に24mmの単焦点レンズ(当時は「超広角」なんていってましたっけ)で修業を積んだ結果、24mmが「標準レンズ」みたいになりました。

 もちろん、24mmと標準の50mmでは、長さで2倍、面積で4倍の違いがあります。初めのうちは、遠近感の誇張やディストーション(歪み)の面白さを誇張する作画に没頭していましたが、目が慣れてくると24mmで自然な描写ができるようになりました。
 広い範囲が写っているだけで、遠近感やディストーションは、標準レンズで撮ったみたいな表現ができるようになります。不思議ですね。

 広角レンズの描写には、「近いものはより近く、遠いものはより遠く…」という性質があります。要するに、遠近感が誇張されるわけです。
 ワイドレンズを使い慣れてくると、この「近い」と「遠い」の境を見切ることができるようになります。この狭間で作画すると、まるで標準レンズで撮影したかのような写真になります。28mmでも24mmでも、50mmの標準レンズで撮った世界が表現できるわけです。
 不思議なことに、写っている範囲は、標準レンズよりもかなり広いのにね。

 人の感性は、理屈や数字では割り切れません。ワイドレンズで練習するときは、初めは特性を生かした過激な使い方をするよう、お薦めします。遠近感を誇張する…すなわちディフォルメです。
 少し使い慣れてきたら、自然な描写を心がけます。35mmならすぐに慣れるはずです。28mmくらいで練習するのがいいでしょう。普通はせいぜい24mmまで、ですかね。20mmまでいったら大したもんです。

 なにせ超ワイドレンズは、暴れん坊のジャジャ馬ですからね。
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