2012/12/14(金)下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる?

 コマーシャル写真の撮影ショット数が半端じゃないのは、いまでは知られた話ですが、篠山紀信が新人だったころはあまり知られていませんでした。昔、テレビでプロの撮影現場を紹介していたことがあります。ものすごいショット数でした。
 それを見ていた高校の先生が、「あんなにいっぱい撮れば私だってプロの写真家になれる」と、授業中に放言しました。それに噛みついたのが若かりし頃の「酸化セリウム」の先生です。大論争になって、その授業は潰れてしまったそうです。

 「酸化セリウム」の先生の言い分は、写真の基礎知識やセンスのない者が、いくらたくさん撮っても作品にはならない、というものでした。使えそうな膨大なカットの中から最良の一枚を選ぶから、お金の取れる作品になるわけです。
 学校の先生が言いたかったのは、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」という諺でしたが、下手な鉄砲はいくら撃っても当たらないと、生徒に反撃された形です。

 デジタル一眼レフの連射速度をもっと上げるよう求める声があります。ミラーの上下運動とフォーカルプレーンシャッターを使っているうちは、フィルム時代と大して変わらないと思います。せいぜい秒間5~7コマ、業務用の特殊仕様でも 10 コマがいいところです。
 ミラーの上下動をなくすために、半透過式のペリクルミラーを採用した一眼レフもありました。いまでいうトランスルーセントミラーみたいな固定式です。それでもフォーカルプレーンシャッターの制約は残ります。

 店頭でデジタル一眼レフのデモ機を触っていると、いきなりシャッターがガシャガシャ音を立ててビックリすることがあります。前にいじった人が連射モードで試したからでしょう。いくらフィルム代が掛からないとはいえ、こんな忙しい撮り方をする必要があるのかしら?
 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、という発想ですかね。「酸化セリウム」の先生によれば、下手な鉄砲はいくら撃っても当たらないそうです。もし当たったとすれば、それはまぐれ当たりなんだとか・・・
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