2012/12/11(火)撮影目的に応じた自動露出機能
絞りとシャッター速度の関係を知らないと、露出を合わせることすらできません。ピント合わせは、一眼レフか二眼レフなら目で見てボケているかどうかくらいはわかりますが、連動距離計式は慣れないとやっかいでした。写真をきちんと写せることが特技の時代がありました。
現在の一般大衆向けカメラは、絵やマークを合わせるだけで、被写体や目的に応じた露出の組み合わせを自動的に設定してくれます。この方式が広まるきっかけは、ミノルタα7700i だったように記憶しています。この全自動 AF 一眼レフは、インテリジェントカードという IC チップを差し替えることで、様々なシーンに対応できました。接写のときはマクロカード、人物撮影のときはポートレートカードといった具合です。
ところが、この新しい方式は消費者に受け入れられませんでした。何かの機能を追加するたびに 3000 円程度の出費が必要です。全自動化で一眼レフは、写真愛好家だけでなく一般大衆にも広く使われるようになりました。消費者感覚からいうと、余分な出費を余儀なくされる不経済なカメラと見られたようです。カードを買わなくてもカメラに機能が内臓されていると、他社が宣伝を始めたことで、α i シリーズは惨敗します。
電気的に露出をコントロールする機能を内蔵チップ化するのは、比較的簡単なことでした。他社は、インテリジェントカードに相当するマークをダイアルに割り当てて、「カード○枚ぶんの機能を搭載」と売り文句にしたわけです。
カードのほうが機能が充実・・と叫んでみたところで、一般消費者は個々のプログラムラインまで読んで比べたりしません。勝負ありでした。α7000 でトップに躍り出たミノルタは、欲を掻きましたね。
それ以来、絵やマークで選択する初心者向けの自動モードは、カメラに内臓されるようになりました。いまどきのデジカメのエフェクト機能も同じような扱いです。
いろいろ遊べていいのですが、あまりに機能が多すぎて使いこなせない弊害もあるようです。利用頻度の薄そうな機能はアプリ化して、要る人だけダウンロードするようにしたほうがいいのでは?
もちろん、欲を出して有料化するとユーザーの離反を招きます。7700i の轍は踏まないことです。(聞いてる? SONY さん)