2012/12/27(木)雲台は縦位置が苦手
重量のある超望遠レンズや大口径の望遠ズームは、専用の三脚座がついていて、雲台につけたまま鏡筒が回転するようになっています。これならカメラの重心がセンターから大きく外れることはなくなります。
手持ちで撮るときは三脚座が手に当たって使い辛いことがあります。雲台取付ネジを上向きにすれば手になじむはずです。三脚座が取り外しできるレンズもありますが、天体望遠鏡の鏡筒バンドみたいな方式だと、三脚につけたとき安定感に欠ける感じがします。マニュアルフォーカス時代のタムロン SP80-200mm F2.8(30A)がこの方式でした。ズームが摺動(直進)式だったから手持ちでの撮影を優先したんだと思います。
同じ時代の反射式望遠レンズでタムロン SP500mm F8は、初期モデル(55B)だけ取外し式の三脚座がついていました。ネジ2本で本体に固定する方式なのでしっかりしていました。本体側にある別のネジを緩めると鏡筒を回転させて縦位置にすることができます。
次期モデル(55BB)から三脚座を撤廃してしまったのは、レンズ本体が軽かったため三脚座を使うとカメラぶれを起こすというのが理由でした。カメラ本体の三脚ネジを使ったほうがブレにくかったそうです。55BB には鏡筒が雲台プレートに当たらないよう、ボディーに下駄をはかせる三脚スペーサーが同梱されていました。この取付方法だと縦位置は雲台側で行う形です。
人物写真では縦位置で撮影することがほとんどです。マミヤの中判カメラは、フィルムバックが回転するリボルビング方式を採用しています。RB や RZ を載せた雲台を横に倒して使うなんてのは、考えただけで恐ろしいことです。ウエストレベルファインダーの場合、フレーミングはどうするんでしょうね。
アイレベルファインダーの PENTAX 645 は、カメラの底と側面に三脚用のネジ穴があります。クイックシューを使えば、本体を抜き差しすることで迅速に縦横変換できます。
シックス判のハッセルブラッドは、画面が真四角なので、縦位置・横位置の区別はありません。二眼レフも同様です。デジタルカメラでスクエアフォーマットはありませんが、カメラスタンドに載せっぱなしのカメラだったら真四角でもいいように思います。