2012/12/26(水)変り種のクネクネ雲台
特殊な形状を採用することで、軽量小型でも頑丈な雲台がありました。マンフロットの #056 です。基本的には 3WAY 雲台ですが、作りが変わっています。左右のスイングは普通の雲台と同じです。ほかの動きが違います。
縦方向のティルトノブを緩めて前に倒すと、カメラプレートが 180°回転して裏返しになります。傾きを調整するノブを緩めて左に倒すと、カメラプレートがこれまた 180°回転します。この独立した二つの動きを組み合わせることで、カメラをどんな方向にも向けられるのが特徴でした。
ストッパーをすべて緩めると、各支点を軸にカメラがクネクネ動きます。その動きから 3D 雲台と言われていました。普通の 3WAY 雲台の感覚とは違うので、最初は戸惑います。どのネジを緩めてどう動かしてよいのやら、試行錯誤しながらカメラ位置を決めることになります。
自由雲台は、カメラを逆さまにすることはできませんが、カメラ位置を決めるのは簡単です。マンフロのクネクネ雲台が普及しなかったのは、扱い方が難しかったからだと思います。
それともうひとつ難点があって、通常の横位置以外にセットすると、カメラの重心が三脚のセンターから外れます。縦位置にしたときに重心がそれるのは、どの雲台でも同じですが、クネクネ雲台はそれが顕著でした。真下に向けてマクロ撮影をするときなど、カメラが三脚の中心から大きく離れます。便利な反面、気をつけないとブレやすいのが欠点でした。
#056 はストッパーがネジでしたが、後から出た #115 はスーパークランプと同じレバー式に変更されています。レバーの角度が変えられるフリーストップ機構は、プロには馴染みがあった反面、アマチュアは使い方に戸惑いがあったようです。(レバーを手元に引いて回すのがね)
どちらもいまでは製造中止となっているようです。現行品にギア式の 3D 雲台で中型の #410 とプロ向けの #405 がありますが、可動範囲はクネクネ雲台よりもかなり狭くなっています。