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2012年12月02日の記事

2012/12/02(日)フラッシュバルブの色温度

 フィルムの感度が低かった時代は、室内での撮影にはフラッシュバルブが使われました。マグネシウムを封入した球を電気的に発火させるフラッシュガンを使います。もっと昔はマグネシウムの粉をグリップのついた台に載せ、手動で点火していました。それに比べれば簡易で安全です。
 難点は一発数十円のコストが掛かることと、1コマごとに球を交換しなければならないことです。使った後、大量のゴミが出るのもやっかいでした。(ポケットが廃バルブでいっぱいに・・・)

 ASA 100(現在は ISO 100)が高感度と言われていた時代です。当時のストロボはまだ登場したばかりで、光量が小さく、本体価格も高めでした。なぜか、白黒フィルムとカラーフィルムで、ガイドナンバーが違っていました。カラーフィルムは1絞り開けないと発色が悪いからだとか・・・
 フラッシュガンは手ごろな値段で手に入りました。シャッター速度を遅くすることで大光量が得られるのがフラッシュバルブの特長です。

 ストロボはクセノン閃光管の放電で発光するので、太陽光とほぼ同じ色温度です。一方、フラッシュバルブはタングステン光に近い色温度でした。モノクロフィルムはいいとして、デーライトタイプのカラーフィルムは色温度変換が必要です。球にブルーコーティングしたカラー用が開発されましたが、ブルーコートのぶんガイドナンバーが小さくなります。
 カラーフィルムが普及するにつれて、フラッシュバルブの優位性は薄れました。ストロボの光量が大きくなり、本体価格が安くなったのも影響します。ストロボの普及でフラッシュバルブは使われなくなりました。

 その後、フラッシュバルブが残った分野は、ポラロイドカメラ用とポケットカメラ(110)用です。ポラは 10 連発のフリップフラッシュやフラッシュバー、110 は4連発のマジキューブを使います。この時代になると、フラッシュバルブはブルーコートのデーライトタイプだけになります。

 もうひとつ残ったのは、集合写真に使う大光量の閃光電球です。22 番と呼んでいました。白熱電球と同じ形をした大きなフラッシュバルブです。口金もエジソンベースでした。現在は製造を打ち切っていますが、最後に買い溜めしたところが多かったせいか、ネット通販などでまだ手に入るようです。
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