2012/12/20(木)如意棒みたいな三脚があれば
アマチュア写真家には、なるべく大きめのものを買うように勧めていました。初心者ほど小型で軽い三脚を選ぶ傾向があるからです。アマチュアの感覚で大型三脚は、プロユースでは「小型」です。
ハスキーの3段を大型三脚と呼ぶプロはいないでしょう。撮影機材の中では小さくて軽いほうです。ロケ先で頻繁に移動しながら撮影する・・・そんな用途にはちょうどいいサイズです。
アマチュアが多少でも太めの三脚を使うようになったのは、カーボン素材の採用が影響したようです。サイズはともかく、重量は格段に軽くなりました。三脚が必須の風景写真は、高齢者の愛好家が多かったので、トレッキングや山登りを伴う撮影には重宝されました。
上高地の大正池など撮影スポットには、カーボン三脚がズラリと並びました。カーボンでないと格好が悪い雰囲気です。とくに体力のない女性カメラマン(正しくはカメラウーマン?)は、判で押したようにカーボンです。当時の年寄りは裕福でした。
三脚の性能のうち、サイズと重量のどちらを重視するかは難しい問題です。小さくて頑丈なものがあればいいのですが、一般的にそれは望み薄です。それならダウンサイジングではなく、素材を変えて軽量化を図れば・・・
カーボン素材とマグネシウム合金は、軽量化による付加価値で三脚メーカーのドル箱となります。撮影時に石を載せて目方を稼ぐストーンバッグを製品に同梱するメーカーもありました。重量も性能のうちとわかっての施策です。
センターポール下のフックにカメラバッグを吊るす方法は安上がりですが、バッグが揺れるとブレの原因になります。使い方にコツが必要です。
持ち歩くときは小さく軽く、使うときだけ大きく重い三脚があれば理想です。孫悟空の如意棒みたいなやつです。いくら科学が発達しても、それが実現できるのはまだだいぶ先の話でしょう。
それまでは、沙悟浄か猪八戒に頼んで運んでもらうしかなさそうです。