タダとかゼロ円といえば、銀塩写真全盛時代に「0円プリント」というのがありましたね。同時プリントすると、各1枚のプリント代がタダになると謳う商法です。
最近ではとんと目にしなくなりました。ここまでフィルムの需要が減ると、ゼロ円を訴求する意味がなくなったということでしょう。
0円プリントは、取次店から広まりました。0円になる前は、プリント代は5円程度だったと記憶しています。取次店のマージンは2割程度でした。現像料を500円とすると、24枚撮の代金が620円、利益は124円となります。宅急便の荷物を1個預かるよりは、少し儲かる商品でした。
そのうち、DPの利益源が現像料にあることに気づきます。プリント代に比べて現像料に対する消費者意識が低いことも体得しました。
現像料を150円ほど値上げして、プリント代を0円にしたほうが儲かることに気がついたわけです。売上が650円、利益が130円となり、消費者に安さを訴求する一方で、利益を確保できました。一石二鳥です。
仕入価格が1枚4円のまま、取次店側で勝手に0円プリントを打ち出すところもあったとか・・・
こうした商法は、自家処理のDP店にも波及していきます。ボールペン1本で商売できる取次店と違って、自家処理店は原材料費と自動現像機の償却(リース代)があります。0円プリントは、厳しい商売でした。
プリントのコストを下げるために、逆輸入ペーパーに切り替えたり、ケミカルをコストの安いものにしたりと、涙ぐましい努力が続きます。
ドル箱のフィルム現像がなくなって、デジカメからのプリントが大半になりました。現像料がなければ、0円プリントは成立しません。プリント価格のボリュームゾーンは1枚35円前後のようですが、もっと安い価格で勝負している店もあります。
Eメールで「デジカメプリント1枚9円」なんて広告が送られてきました。こんな価格で採算が合うのでしょうか?