トレンド調査で不要と思える設問に、「仲人を立てたか、立てなかったか?」というのがあります。回答結果は、「立てた」が 1.2%(全国平均)でした。東海地区のデータを見ると、2005 年以降、一度も 2% を超えたことがないから、もう調べる必要はないのでは?
ローカルな地域でも 3% 未満です。仲人を立てる風習は、時代の移り変わりとともに廃れたとみていいでしょう。「あの人が仲人」という話をよく耳にするのは、団塊の世代かそのあとくらいまでですね。
何十年か前は、仲人(媒酌人)は結婚式の定番でした。新郎新婦の紹介は、仲人がするのが通例です。「新郎は○○を優秀な成績で卒業され・・」に始まり、「新婦もこれまた優秀な成績で・・」と続くのがセオリーでした。
30 年ほど前にやった後輩の結婚式では、うるさ型の伯父さんが途中から割って入った結果、仲人が2組になりました。正面の雛壇にズラリと6人が並んでいる光景は、当時でも珍しかったと思います。
そのころの結婚式は「家と家」の行事で、親戚が幅を利かす場でもありました。
こうした風習が廃れたのは、見合い結婚が少なくなったのも要因のひとつです。結婚相手を斡旋する世話焼きオバさんの出番がなくなりました。
例え疎遠な関係でも、仲人には何年間か盆暮れの付け届けをするのがしきたりです。自分で見つけた相手と結婚するのに、他人に媒酌を頼む謂れはない、と考えるのは自然な流れでしょう。
仲人を立てなかった理由のトップは、「特に必要を感じなかったので」という回答です。全国平均で 87.5% でした。ローカルな地域でも8割を超えています。
トレンド調査で「仲人」は第1章にきています。調査する意味がなくなっても残っているのは、1丁目1番地だからでしょうか?