2011/11/13(日)フィルムの三層構造

 現在デジタルカメラの撮像センサーは、ベイヤー配列と呼ばれる 4 素子で三原色の情報を得る方式が主流です。シグマが採用している三層構造の FOVEON センサーが、最もフィルムに近い方式ですが、技術的に難しいとされています。

 カラーフィルムは、上から青感層・緑感層・赤感層の三層構造です。不要な波長をカットするフィルター層と、感度や粒状性をよくするため複数の感色層があるので、実際には十層以上あるそうです。
 製造工程は、1層ずつ塗布するのではなく、比重の違いを利用して一発で塗っているというから、かなり高度な技術です。

 感材の製造ラインは暗黒の世界だから、目で見ることはできません。いままでにカメラやストロボ、三脚などの工場を見学したことはありますが、フィルムの生産ラインは見たことがないですね。
 メーカーの人から聞いた話を鵜呑みにするしかなさそうです。話してくれた人は、「見てきたような嘘を言い・・」とか言っていたから、本人も自分の目で確めたわけではないようですが・・・

 カラーフィルムは、開発の最終段階では4層構造まで進化しています。第4の感色層の登場は、REARA あたりからです。初めは青感層と緑感層の間でしたが、途中から緑感層と赤感層の間に変更されました。
 RGB の3層だけでは、目で見た色彩が得られないとの発想です。赤と緑の分離がきっちりできないのが、フィルムが抱える弱点でした。(詳しくは下記のデータファイルを参照)

4層構造に関する技術データ(pdf ファイル) FUJIFILM

 FOVEON の三層構造センサーは、各感色層間で RGB の重なりがフィルム以上に大きいのが難点です。多層構造で自然な色合いを出すのは、まだフィルムには遠く及ばないみたいですね。
OK キャンセル 確認 その他