2008/04/27(日)電球の色補正3

 業務用途にはあまり使われないデーライトタイプの写真電球ですが、まったく出番がないかというと、そうでもありません。
 デーライトとミックス光源で使うときには、色温度の差が少ないので便利です。

 直射日光の押さえに使うには光量が足りないので、窓際など室内での撮影に使います。
 普通の「白球」だと、光源にブルーのフィルターをかける必要があります。そんな面倒なことをするくらいなら、レフ板を使ったほうが手っ取り早いですよね。
 レフ板は反射の面光源なので、生(なま)光、ディフューズ光が必要なときには重宝します。

 インターネットのオークションに出す商品写真を自分で撮るひとが多いようですから、最近は、使う機会が増えたのではないかと思います。太陽光とミックスで撮るなら、蛍光灯よりも発色が安定します。

 デーライトの色温度調整は、フィルム時代は、色の薄いLBフィルターを使っていました。LBB(LBA)の2とか4です。ネガなら4ですね。
 ケンコーなどのフィルターメーカーから出ているガラスのフィルターだと、「曇天」(W4)とか「朝夕」(C4)がこれに相当します。WはWarm(暖かい色)、CはCool(冷たい色)ですかね。

 デジタル一眼レフで色温度が設定できる機種なら、色温度を固定すればフィルターは要りません。
 5500Kを基準に、LBフィルター効果を出すための設定色温度を提示しておきます。
 LBA2・・・6180K(100K単位なら6200K)
 LBA4・・・7050K(100K単位なら7000Kか7100K)
 LBB2・・・4970K(100K単位なら5000K)
 LBB4・・・4500K

2008/04/26(土)電球の色補正2

 写真電球には、グローブにブルーの色をつけたデーライトタイプがあります。100V 500Wの電球です。ナショナルから出ています。

 レフランプで500Wというのは一番明るい部類ですが、ブルーのフィルターがかかっているので、露出計で測ると大した光量ではないのがわかります。
 タングステン光からデーライトに変換するLBフィルターの露光倍数は、4倍以上ですから、実際には100W程度の光量しかありません。

 プロはデーライトタイプの電球をあまり使いません。新品のうちはかなり青く、使い込むにしたがって黄色くなります。電球自体に色をつけているので、熱で青色が褪せてしまうからです。
 安定性を重視するなら、「白球」を使い、レンズにLBフィルターをかけて補正するのが一般的なやり方です。

 タングステンタイプの写真電球をデーライトに変換するときは、LBB12のフィルターを使います。しかし、実際には少し青味が強い補正となります。補正過多です。
 計算上は、3200Kを5500Kに変換するには、ミレッド値で130(デカミレッド値で13)なので、LBB13でピッタリですから、LBB12だと補正不足で若干黄色味が残るはずです。不思議ですね。
 【計算式】 (100万÷3200)-(100万÷5500)=130.68

 3200Kのタングステン光には、もともと青い光の成分がほとんど含まれていないので、強制的にブルーの色をつけることで、ズレが生じるのだ・・というひとがいます。その逆をいうひともいますね。
 理由はどうあれ、実写で青味が強いというのは、共通した認識のようです。

 実は、タングステン光を使って商品撮影するときに、LBB12フィルターを使って色温度変換することは滅多にありません。知人の先生は、「LBB12のフィルターは一生モノ」とかいってました。ほとんど使っていないそうです。タングステンタイプのフィルムを使うからです。

 タングステン光での照明はスローシャッターになります。相反則不軌が出るデーライトタイプのフィルムをブツ撮りに使うプロは、コマーシャル系ではいないでしょうね。

2008/04/25(金)電球の色補正

 電球(白熱灯・タングステン光)の色補正は、蛍光灯よりは単純です。太陽光と色温度が違うだけで、目に見えない輝線スペクトルなんて曲者はありません。

 太陽光は一般的に5500Kとされています。中緯度帯の正午ごろの太陽を想定しています。冬場はもう少し低いけどね。
 フィルムによっては5600Kを基準にしている場合もあります。パソコンのwindowsは6000Kでしたっけ。太陽は、季節と時間によって色温度が変わるし、同じ時刻でも緯度帯によって違います。基準がマチマチでは都合が悪いので、写真の世界では5500Kを基準にしています。

 写真電球の色温度は3200Kを基準にしています。タングステンタイプのフィルムのなかには、3400Kを基準にしているものもあります。新品の写真電球は、確かに3400Kくらいです。でも、使っているうちにすぐに3200Kまで下がります。
 プロの連中の間では、いつも新品の写真電球を使う・・という贅沢なひとは少ないので、タングステン光は3200Kというのが常識のようです。

 ブツ撮りなら、「電球は3200K」でいいのですが、一般家庭や結婚式場などではもう少し低めになります。市販の100Wの白熱電球の色温度は、約3000Kです。60Wならもっと低くなります。
 結婚式場にカラーメーターを持ち込んで、細かく測ったことはないので、正確な数値はわかりませんが、多分2800Kくらいだと思います。

 AWBを外したときの設定は、デジタルカメラによって「電灯光」「白熱灯」「タングステン光」など表示はマチマチですが、色温度がいくつなのかを把握しておいたほうがよいと思います。説明書に書いてないカメラもあるけどね。

 電球照明下でスナップ撮影する場合は、きちんと色温度補正をする必要はありません。あまり完全に補正してしまうと、屋外で撮影したような違和感のある写真になってしまいます。室内ということがわかる程度に、やや黄色っぽいほうが自然です。
 カメラの設定を3000K-3200Kくらいにしておいて、少し暖色系の発色にするのが、結果的によいみたいですね。
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