2008/04/30(水)色温度の設定3

 アマチュア向けに結婚式の撮り方を考えるはずが、知らず知らずのうちに業者向けの話になってしまいました。ゲストが写真を撮る式場は、いつも同じとは限りません。よほどローカルで、結婚式やるならココしかない!というなら話は別ですが・・・

 裏を返せば、式場提携のカメラマンは、その式場の照明に合わせた補正データを握っている可能性があります。デジタルカメラで色フィルターを使っていたら、まずこれと見て間違いないでしょう。
 色が悪かったら、出入り禁止ですからね。

 蛍光灯照明でノーフィルターだったら、画像処理をするセクションが補正データを握っていることも考えられます。業者の写真仕上げは、チームワークですから、何らかの形で色補正するシステムができています。
 一般のゲストと同じ仕上りでは、高い料金は取れません。

 写真の腕をみこまれて撮影を頼まれたのに、業者の写真と雲泥の差では面子が丸つぶれです。できることなら、業者よりもいい仕上げにしたいですよね。
 アマチュアは、時間や手間がコストに響かないので、RAWデータで撮影して後から時間をかけて現像する手もあります。業者は一部を除いてJPEGデータで撮りっぱなしが多いはずです。時間と手間をかけないのが原則ですから。

 RAWデータを現像するときに、色温度が大体合っていると、補正が楽にできます。自動(AWB)モードでも構いませんが、シーンによってバラつくので、色温度を固定したほうが結果が安定します。
 ただし、色温度や三原色の原理がよくわからないひとは、RAWデータでの撮影は避けたほうが無難です。現像の結果を予測できないし、結果の評価も難しいと思います。

2008/04/29(火)色温度の設定2

 色温度を固定しても補正しきれないことがあります。そういうときは、ホワイトバランスをカスタムモードに設定できるカメラは、便利ですね。

 カスタムモードでホワイトバランスを設定するときには、白かグレーの部分を測ります。白は、色が飽和した状態なら皆「白」なので、ニュートラルグレーのほうが正確です。標準反射板を使います。

 電球色の蛍光灯など、色補正が難しい照明下でも、そこそこの色で写ります。何回か測ると、そのたびに微妙に発色が違うので、一番いいと思う結果が出るまで測り直すとよいでしょう。何パターンか記憶できる機種なら、比較できるので判定が楽です。

 カスタムモードは、測り方で補正が微妙にバラつきます。いつも同じ照明下で撮影するのなら、もっと安定した補正方法があります。
 色温度を固定しておいて、補正フィルターをかけるやり方です。電球色の蛍光灯は、この方法で色補正したほうがいいかもしれません。3000K前後に固定して、輝線スペクトルがのる分だけ補正フィルターをかけるわけです。
 具体的な補正値については、現在調査中なので、結果が出たら報告します。多分、メーカー間の差があるはずですが、僅差だと思います。

 美術館でよく使われる高演色性の電球色タイプは、知り合いのプロがデータを握っていました。色温度を合わせておいてから+10Bだそうです。ただし、これはタングステンタイプのリバーサルフィルムを使ったときの話です。
 元の光源は、どうやら3000Kよりも高いようです。3200K以上はある、といってました。デジタルカメラなら、3200-3500Kの間で設定を変えながら試してみるとよいでしょう。補正フィルターは05Bでいいかもしれません。

2008/04/28(月)色温度の設定

 輝線スペクトルがある蛍光灯のような曲者は別格として、太陽光や電球照明下での撮影は、色温度の原理を知っていれば補正は楽です。

 最近のデジタル一眼レフには、マニュアルで色温度が設定できるモードがついている機種が増えました。
 スタジオ撮影によく使われているFUJIFILMのFinePix S3proには、この色温度設定がなかったので不便でしたが、後継機のS5proには装備されました。

 前回のLBフィルターの話でお気づきかと思いますが、色温度が高いときと低いときで、同じ500Kの違いでも発色が大きく変わります。
 色温度が高いとき(例えば7000K)と、低いとき(例えば3000K)では、500Kの「重み」が違います。7000Kと7500Kは、ほとんど同じようなものです。3000Kと2500Kだとかなり違いますね。

 デジタル一眼レフの色温度設定は、たいてい100K単位になっています。太陽光(5500K)よりも上なら、100K単位でも細かい補正になりますが、下にいくにしたがって、100K単位では粗い補正になっていきます。
 色温度が低い場合は、補正が50Kとか細かくできるようになるといいですね。

 3年ほど前になりますが、ビックサイトで開かれた「スタジオ写真フェア」での話です。
 とある大手プリンターメーカーのブースで、写真スタジオの照明についてオープンセミナーをやってました。ストロボ照明についての講演です。
 「各ストロボの色温度の差を100K以内に調整しておかないと、とんでもないことになりますよ!」というのが、このセミナーの内容です。

 入場者は大半が業者なので、聴衆のなかに写真スタジオの先生方も混じっていたはずですが、誰からも疑問の声や質問は出ません。皆、黙って聴いていました。
 この講師・・多分プリンターメーカーの技術者だと思います。スタジオの照明に関しては素人ですね。ストロボ照明で、100Kちょいズレたら一大事!なんてことはありません。

 それよりも、自分とこのプリンターのほうが問題です。インクがなくなる寸前と新品に換えた後とでは、色が違うし、紙を替えるたびに色が変わるし・・・
 発色の問題をストロボのせいにされても、納得いきませんね。
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