2008/04/18(金)銀塩写真の色補正

 三原色が理解できたところで・・(何?まだよくわからない? そのうちわかるようになりますよ)、色をいじるときにはコツがある、という話に進みます。

 銀塩プリントの色補正は、CMYのフィルターを使います。フィルターをかけることで、光の三原色RGBが減っていくので「減色法」ともいいます。「原色」と「減色」は同じ発音なので、間違えないようにね。(ちなみにRGBは「加色法」です)

 CMYのフィルターを均等にかけるとグレーになって、カラーバランスはそのままで暗くなります。したがって、色を補正するときには、2色のフィルターを使って行います。具体的に説明すると・・
 C=10%、M=20%、Y=30%のフィルターをかけたとします。CMY各10%の色目はグレーですから、M=10%とY=20%だけ色補正したことになります。RGB各色10%分の光を損したわけです。2色を使って色補正する・・という意味は、こういうことです。

 銀塩写真でネガフィルムからプリントするときには、MとYのフィルターを使います。Cは使いません。
 最新のデジタルプリンターは、CMY/RGBのどれでも使えるようになっています。どれを使って補正してもよいのですが、色補正にうるさい「通」によれば、MとYの2色を基準にして、M/GとY/Bだけで補正するのが基本とか・・・

 M+Y(=R)を足すのとCを引くのは、理屈のうえでは同じはずですが、微妙な違いが出ます。デジタルプリントの世界でも、MとYの2色で補正する・・という原則は変わらないみたいですね。

 とはいっても、これは色を扱うことを職業にしているひとの話です。三原色の原理が身に染みついていないひとにとっては、かなり難解です。
 Y+MはRで、Rの補色はCだ・・という原理に基づいて、イエローとマゼンタを足してレッドにする代わりに、シアンを引いても結果は同じ・・ということに、とりあえずしておきましょう。

2008/04/17(木)光とインクの三原色

 色の三原色は、R(レッド)・G(グリーン)・B(ブルー)と、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)の2種類の組み合わせがあります。
 RGBは光の三原色、CMYはインクの三原色です。

 光の三原色は、各色を均等に混ぜ合わせると白になります。インク(絵の具)の三原色は、逆に黒になります。学校かどこかで習いましたよね。
 そんなことはもう忘れた・・というかたは、もう一度おさらいしてください。この三原色の原理がわからないと、画像の色補正はできません。

 RGBとCMYには、補色の関係があります。
 ・R(レッド)のなかには C(シアン)が含まれない。
 ・G(グリーン)のなかには M(マゼンタ)が含まれない。
 ・B(ブルー)のなかには Y(イエロー)が含まれない。
 この逆も同じで、CのなかにはRは含まれません。ということは、Rを足すことと、Cを引くことは、イコールということになります。

 しかし、実際には、そう単純にいきません。G+Bで作ったシアンとCMYの元のシアンとは、微妙に色合いが異なります。(この話は難しいので後日することにします)

 日本語の色の表現は、ファジーです。R(レッド)もM(マゼンタ)も「赤い」と表現します。B(ブルー)とC(シアン)も「青い」といいますよね。
 写真のプロでも、よく「赤い」「青い」という言い方をします。10Mとか20Rとか、正確な言い方をするひとは少ないですね。だからラボの担当者としょっちゅうもめてます。「赤いといったじゃないか!」なんて怒っても、レッドなのかマゼンタなのかが曖昧ですから仕方ありません。

 さらに、始末が悪いのが「青い」という概念です。ブルーとシアン以外に、グリーンまでもが「青い」という範疇に入ります。
 信号の青は実際には緑色です。でも普通は青信号といいます。信号が緑になったら・・なんていいませんよね。
 ひょっとすると、塩原太助の馬の名も「あお」じゃなくて本当は「みどり」だったのかも・・・。それはないでしょうね。

2008/04/16(水)色補正の方法

 撮影した画像の発色が正しいかどうかは、標準反射板を使って確認する・・という話をしました。標準反射板には、2つの要素が含まれています。反射率18%とニュートラルグレーです。

 標準反射率は、露出を測るときの基準です。ニュートラルグレーは、色の偏りを測るときに使います。
 標準反射板は、そんなに値段の高いものではありません。送料を払っても二千円程度です。銀一のはA4サイズの紙が2枚入っているので、友達と分けるなり切るなりすれば、負担が軽くなります。

 手元に標準反射板がないときは、水道配管や建築工事に使うグレーの塩ビ管を利用します。まったく一緒ではないものの近い結果が得られるはずです。
 ペンキの黒と白を混ぜたものは、ニュートラルグレーにはなりません。色が濃いから黒に見えるだけで、普通は赤っぽいか青っぽいかのどちらかです。

 画像処理ソフトを使ってニュートラルグレーの部分の色の偏りを調べたとして、どうやって色補正をしたらよいのでしょう?
 ひとによって、やり方は様々です。一般的な方法は、RGBを個々に調節するカラー補正機能を使います。どの程度ズレていたら数値をどの位いじるかは、ソフトによって違います。大抵は、やってみてダメならやり直す・・という繰り返しになります。

 JPEGの画像データは、修整を重ねるほど画質が低下します。結果がダメなら続けて補正せずに、一旦キャンセルしてからやり直します。できるだけ1回の補正で済ませます。
 補正した画像データは、同じファイルに上書きしないように注意します。「開く」と「保存する」を何回も繰り返すと、圧縮と解凍を重ねることになり、元の絵をダメにしてしまうからです。

 1文字でも違えば別のファイル名ですから、「名前をつけて保存」するクセをつけたいですね。
OK キャンセル 確認 その他