2010/02/26(金)建築土木写真の修整

 公共工事の記録写真がデジタル化されたのは、比較的早かったと記憶しています。愛知県では、2005年の万博(愛・地球博)までにデジタルに全面的に切り替える方針だったから、2003年頃には多くの業者がデジカメで撮影していたはずです。

 普及し始めのころのデジカメは、画素数的には100万画素程度でした。それでもサービス判程度の写真なら実用できました。
 国の基準では、80万画素以上となっていたはずです。なぜ100万画素以上にしなかったのかは、コダックのデジカメが80万画素だったからだと言われています。当時は日米貿易摩擦の問題で揺れていて、米国の企業を政府が排除したと思われたくなかったんでしょうね。

 CD-ROMまたはMOディスクの提出を義務付けていました。CD-ROMというのは、CD-Rメディアに画像を焼き付けたもの・・という意味でしょう。MOというのは、いかにも日本的ですね。
 メディアの提出は、フィルムのベタ焼に相当するものでした。年度末近くになると、土建関係に強い写真店には大量のネガが持ち込まれて、ちょっとした売上利益源になっていました。それがなくなったのは痛かったでしょうね。

 デジタル化によって、それまでは写真店に持ち込まれていた写真修整の依頼も激減します。一番多かった黒板の字を書き直す程度の修整は、デジタル画像なら素人でも簡単に直せます。
 フィルム時代には、実物の黒板を撮影して元の写真に貼り付け、もう一度複写して原板を作っていました。丸抱えの写真店には、土建会社の黒板が預けっ放しにしてあることもあったようです。デジカメに替わって、そういう仕事もなくなりました。

 それでも素人のやる修整では、雑な仕上りになりがちです。役所の人から「自分にも立場というものがある」と言われて、紹介された写真店に泣きつく業者もあったとか・・・
 その場で御用にしないばかりか、腕のいい写真店まで紹介するあたりが、いかにも官民癒着ですね。
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