2008/08/25(月)男性ゲストの衣装2

 日本では黒の略礼服が多数派のゲスト衣装ですが、欧米では黒よりもグレーやネイビー(濃い目の青)のほうが好まれるようです。
 葬式はブラックスーツと決まっているので、婚礼では黒を外すという意識が働くのかもしれません。

 日本でネイビーというと、リクルートスーツのイメージが強いせいか、結婚式ではあまり見かけません。欧米では、茶色のスーツはフォーマルな席では着ないそうですが、日本ではそこまで色に拘る必要はないと思います。
 敬虔なキリスト教信者なら話は別として、教会で着る衣装について格式をいうひとは少ないですね。人前式と披露宴なら、茶色でも構わないはずです。

 あらたまった席に出るときのために、フォーマルなスーツを1着作っておくのもいいでしょう。
 ディレクターズスーツは日中の準礼装です。モーニングコートの上着が、モーニングカットのないタイプに替わった感じです。フォーマルスーツのズボンが縦縞になったとイメージしてもいいでしょう。
 色は、グレーかネイビーがお奨めです。でも、日本ではやはり黒ですかね。どうせ葬式には着れないので、黒に拘る必要はないはずですが・・・

 新郎新婦の父親は、大抵モーニングコートです。日中の正装ですから、ゲストが準礼装のディレクターズスーツを着て行っても、主客が逆転することはまずありません。
 ただし、未婚の若い男性ゲストは、略礼服か普通のスーツにしたほうが無難です。主賓クラスが略礼服だったりすると、ディレクターズスーツは、ちょっと浮くかもしれませんね。

2008/08/24(日)男性ゲストの衣装

 花嫁姿がウェディングドレス主流になってから、婚礼衣裳についてウンチクをいうひとは少なくなりました。日本では、ドレスの歴史が浅いのが要因です。
 ドレスを着る文化が日本に入ってきたのは明治以降ですが、結婚式ではなく舞踏会やパーティーです。いわゆる鹿鳴館時代です。

 和婚が少なくなって、ゲストの衣裳も洋装が増えました。女性ゲストの衣裳の大半が留袖だったりすると、かなりローカルな印象を受けます。男性ゲストで紋付袴は、よほどの田舎でないと見なくなりました。

 男性ゲストのほとんどが略礼服です。冠婚葬祭にオールマイティーなブラックスーツです。違うのは、ネクタイの色くらいですね。
 葬式は、黒のネクタイと相場が決まっていますが、婚礼は白と決まっているわけではありません。でも、日本では白のネクタイがまだ多数派です。

 結婚式で白のネクタイは、実はあまり良い選択ではありません。見た目には晴れの日の装束としてハデますが、写真にはきちんと写りません。
 結婚式の集合写真を欧米のひとが見て、日本人は皆ノーネクタイかと疑問に思った、という話があります。熱帯の暑い国だと勘違いしたかもしれません。

 結婚式でのネクタイは、薄いピンクやストライプのものがお奨めです。これなら白いシャツと同化する心配はありません。
 貸衣装屋で借りるモーニングコートは、白黒の斜めストライプかシルバーグレーのネクタイが多いですね。略礼服だと白のネクタイをつけてくることがあるので、ネクタイだけ別に自前で用意しておいたほうが無難です。

 シャツの色は通常白ですが、普通のネクタイなら立ち襟のウィングシャツである必要はありません。
 蝶ネクタイやアスコットタイは、立ち襟のシャツですが・・・

2008/08/23(土)婚礼衣裳のしきたり3

 今では少数派になった和婚ですが、お色直しや写真の前撮りでは復活傾向にあります。復活といっても、白無垢や色打掛ではなく、牽引役は引振袖です。

 引振袖は、裾が綿入でお引きずりになった振袖です。江戸時代には、黒の引き振袖は武家の婚礼で着用されていたようです。
 白無垢や色打掛は、綿帽子や角隠し姿のイメージが強く、かつらを着けないと格好がつきません。引振袖なら洋髪のままでも違和感がないので、ここへきて急速に普及しているようです。

 お色直しの回数を少なくしたり、中座の時間を短縮したりする傾向があります。ゲストへのもてなしを重視する風潮が強くなりました。
 洋髪のままで済む引振袖は、色打掛に比べれば着替えの時間が大幅に短縮できます。こうした事情も引振袖の人気を支えているようです。

 写真の前撮りに引振袖を着るひとが増えています。写真を撮るだけでかつらを着けるのは大変です。洋髪のままで済む引振袖は、手軽に楽しめる和装です。
 引振袖は、成人式の振袖と比べると、きものの形だけではなく小物も違います。箱迫(はこせこ)・懐剣・扇子は婚礼用のものを使います。和婚に慣れている美容師さんなら、粗相はないはずです。

 数年前までは、婚礼の引振袖といえば黒の引振袖でしたが、いまでは何でもありです。本来の由来を離れて、もうファッションですね。赤ありピンクありです。
 嫁いだ家の色に何とでも染まる・・という意味の色無垢よりも、流行の引振袖に魅力を感じるのは、当然かもしれません。
 
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