2009/07/09(木)老後の趣味は8×10

 歳をとるとファインダーを覗いてフレーミングしたり、ピント合せをしたりするのが億劫になります。その点、8x10インチのラージフォーマットは、画面が大きくて見やすいですね。
 画像が倒立しているのが難点ではありますが・・・

 現役を引退した写真愛好家には、バイテンは魅力のあるフォーマットサイズです。とにかくフィルム画面がデカイので、画質は並のデジカメが及ぶ世界ではありません。
 デジタルでシステム価格が数千万円(ちょっと前なら億!)はする高画質が、カメラとレンズを含めても数十万円からスタートできるのは、銀塩のなせるワザです。
 まぁ、現像処理をどうする?という問題はありますが・・・

 バイテンのカメラは、ディアドルフが一種のステータスとなっています。アメリカ製の大判カメラです。木製のフィールドタイプなので、8x10のなかでは小型(?)軽量ですが、暗箱だけでは写真は撮れません。
 カメラのほかに、レンズ・カットホルダー・冠布・ルーペ・大型三脚が必須となります。全部合わせると、かなりの量(かさ)と重量になります。

 鶴さんの話では、1日で涸沢まで行って、8x10で写真を撮ってきた強者がいたとか・・・
 定期バスで上高地に入り、重量機材を担いでその日のうちに涸沢まで行くだけでも、ハイシーズンだとかなりの強行軍です。普通は横尾あたりで1泊して・・というのが、一般ハイカーのコースです。

 立山の室堂平で8x10をドッカと構えていたカメラマンがいました。完全に風景の一部になりきっていました。立山連峰の山々を背景に、そのカメラマンを点景にして、ティアラでパチリです。(ごめんなさいね)

 いつか自分もリタイアしたら、ああいう風に8x10をドッカと据えて写真を撮る日がくるのでしょうか? あの雲があそこまできたらシャッターを切るか・・なんて、パイプをくゆらせながら、自然との触れ合いを楽しむ・・・ 夢ですね。

 銀塩手法に固執するつもりはないけれど、8x10をフラットベッドスキャナで読み込んで・・というのは、やはり抵抗があります。そんなアナログ人間を尻目に、若い世代はバイテンとデジタルの融合を模索しています。
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