2012/04/04(水)普及しなかったスクエアサイズ
写真屋のおじさんに「切らないでね」と頼んでおくと、余白のついたまま渡してくれました。コメントを書くのに便利です。店も切る手間が省けて、よかったのでは?
それでも真四角の写真は小さく見えて貧相でした。当時の印画紙サイズは、大名刺(6.5x9cm)か 30 切(7.6x11.2cm)だったと思います。大手札(9x13cm)は高価でした。
原板の小さいハーフ判のほうが、印画紙いっぱいに大きくプリントされるのは、なんか変な感じでした。いまの世なら「カワイイ!」ということになるんでしょうが、当時はスクエアサイズが普及する素地はなかったですね。
35mm フィルムの送り幅を変える試みは、ほかにもいくつかありました。ニコンが初期のレンジファインダー機で、24x32mm や 24x34mm の独自規格を採用したのは、愛好家の間では知られた話です。もし S2 を出す時点で 24x36mm のライカ判にしていなかったら、S シリーズはあれほど売れなかっただろうと言われています。
ネガキャリアやスライドマウントの問題があって、フィルム原板のフォーマットサイズがスタンダードでないのは、普及を阻害する要因となりました。
その点デジタルカメラは、撮像素子のフォーマットサイズは比較的自由です。とくにコンデジはレンズが変えられないので、撮像センサーが何分の1インチだろうが、一般の人には関心のない話です。
ブログなどに載せるのにちょうどいいと、スクエアサイズの画像が見直される傾向があるようです。正方形のマスは、縦位置でも横位置の画像でも対応できます。そして、そのマスに一番大きく表示できるのはスクエアサイズです。
デジカメの出力メニューにスクエアサイズが定番化される可能性は、十分ありそうです。