2010/12/10(金)披露宴の映像演出

 リクルートが毎年やっている、結婚トレンド調査のアンケート項目は細かいですね。国勢調査の比じゃありません。よくぞこれだけたくさんの質問に答えたものだと感心します。
 最後までアンケートに付き合った人は、それなりにリキが入っていた層だと推察します。当然、調査結果にも偏りが出ます。

 「挙式に関して実施した演出」というのがあります。「フラワーシャワー・ライスシャワー」がトップで 62.2%、「挙式時の音楽・BGM を自分で選ぶ」が 46.2%、「ブーケトス・ブーケブルズ」が 40% と上位に並んでいます。(東海3県・複数回答)

 スライドショーなどの映像演出が出てこないのを不思議に思ったら、別項目で「映像を使った余興や演出について」というのがありました。別格扱いです。
 「行なわなかった」という回答は全国平均で 21%、東海3県で 18.6% でした。5組のうち4組は映像演出をした勘定です。

 実施した場面はいつか?というデータも出ています。トップは「エンディング(披露宴の最後)」で、「中座・お色直しの間」、「友人知人の余興」と続きます。意外にも「オープニング」は4位でした。(複数回答)
 実施回数は、2回が多数派で、平均は 2.3 回と出ました。1回だけじゃないんですね。

 映像演出を依頼した先は、「会場の専属または提携業者」が 47.7%、「外部の業者」が 11.9% でした。一方、「手作りした」が 44.6%、「友人・知人・親族の手作り・プレゼント」が 13.7% あります。(全国平均・複数回答)
 業者委託と自作が半々です。1回分は業者に依頼して、2回目は自作した人もいるみたいです。せっかく映像設備を借りたのだから、有効活用しようということでしょうか?

 映像演出にかけた費用は、全国平均で7万円でした。これには「2万5千円未満(0を含む)」が半数近く含まれているから、業者に支払った費用の平均値は、もっと高いと思います。

2010/12/09(木)結納も減少傾向

 仲人や菓子撒きほどではないとしても、減少傾向にある風習のひとつに「結納(ゆいのう)」があります。結婚が「家と家の約束事」でなくなったせいでしょう。トレンド調査のデータを見てみると・・・

 「結納のみ行なった」が 4.8%、「結納と両家の顔合わせを行なった」が 25.1% となっています。合計で 29.9% です。(全国平均)
 「両家の顔合わせのみ行なった」が 65.6% で、「両方行なった」を足すと 90.7% となります。結納はしなくても事前の顔合わせはほとんどの人が行なっています。

 両家の顔合わせは、全国的に似たような数字でしたが、結納にはバラつきがあります。最も多かった福島と九州が 50.9%、最も少なかった北海道が 16.7% と、3倍以上の開きがあります。首都圏は 20.1% でした。

 本サイトのリンク集にある、「婚礼事典」(綾部良一氏)によれば、結納は武家の風習だそうです。従って、一般庶民はする必要がないと指摘しています。
 北海道が開拓されたのは明治以降だから、この説とトレンド調査のデータは符合します。福島は、会津藩の風習が色濃く残っているのかもしれませんね。

 結婚当事者の年齢も関係があるみたいです。東海3県のデータを見てみると、「結納」の平均値が 23.6% だったのに対し、花嫁の年齢が 24 歳以下の場合は 10.8% と低くなっています。
 年齢が若いほど親の関与や援助があるように思いますが、この結果は意外でした。

 いずれにしても、時代の流れとともに、結納は廃れていく風習であることに変わりはないようです。

2010/12/08(水)廃れた菓子撒きの風習

 仲人と同様、すでに過去の風習となったものに菓子撒きがあります。トレンド調査にそのデータが出ています。
 「菓子まきのみ行なった」(0.1%)と「菓子まき・菓子配りとも行なった」(0.2%)を足しても僅か 0.3% です。ほかに「菓子配りのみ行なった」が 7.1% ありました。(いずれも全国平均)

 東海地方は菓子撒きの風習が残るエリアです。廃れたとはいえ 1.2% は全国トップでした。菓子配りは 22.7% で全国2位です(1位は北陸3県の 34.2%)。
 婚礼に菓子を配る風習は、地域によってずいぶんバラツキがあります。「いずれも行なわなかった」という回答の全国平均は 91.6% でしたが、東海3県は 76.3%、北陸3県は 64.3% です。

 結婚式に菓子が付き物という考え方は、愛知県尾張地方から岐阜県にかけて、まだ色濃く残っています。織田信長・豊臣秀吉の領地ですね。岐阜県の「菓子配りを行なった」36.4% は、突出しています。
 徳川家康の三河地方では、菓子の話はあまり聞きません。仮に菓子を配ることはあっても、ばら撒くことはないみたいです。

 知り合いのカメラ屋さんの御曹司が、先月結婚式を挙げました。自宅で菓子撒きをやったそうです。名古屋市寄りの西三河だから、菓子を撒くという習慣はないはずですが、あとで話を聞いたら「もうバカ受けだった」とか・・・
 お年寄りの中には、「何十年かぶりに見た」と感激していた人もいたそうです。うんと昔には、まだあちこちでやっていたんですね。

 イベントは多いほうが写真の題材になります。ご近所の受けがいいようなら、リバイバルで復活させるのも悪くないと思います。
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