2011/11/20(日)裸眼でも見えるモアレ

 デジタル写真でとかく問題になるモアレですが、実体を裸眼で見たときでも干渉縞が出る場合があります。ウェディングベールなんかはそのよい例です。チュールが重なった部分をよく見ると、干渉縞ができているのがわかります。

 現実の世界は時間と共に絶えず動いているから、眼で見ているぶんにはまったく気になりません。それが一瞬を切り取ったスチール写真になると、目立つことがあります。
 実際に黒いトルソーにベールを着けて撮影してみると、モアレがいたるところに現われます。フィルムの場合は眼で見た感じに近い出かたですが、デジタル写真だと違った現れかたをします。

 モニター上でピクセル等倍以上に拡大して、干渉縞が写っている部分は、フィルムと同様に消すことができないモアレです。それを徐々に縮小していくと、今度は別の干渉縞が現われたり消えたりします。こちらはモニターのドットとチュールが干渉してできた一時的なモアレです。
 これと同様に、出力側の dpi 数と出力サイズによって、別のモアレが現われることがあります。網点を使う印刷物でも同じことです。

 ベールのカタログを見ていると、モアレがほとんど出ていないのが不思議です。裸眼で見えているはずの干渉縞もかなり抑えられている印象です。
 おそらく目立つところはレタッチして消しているんだと思います。それでもチュールの質感は出ているから、大したもんですね。

 1ページ全面を使ったベールの写真は、ちょっとソフトなイメージでした。ローパスフィルターじゃないけど、画像を少し甘くすることでモアレを防ぐテクニックは、ここでも使われているようです。
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