2009/08/14(金)デジカメの解像力
フィルム時代には、レンズの解像力を極限まで上げるよりも、適度なコントラストが得られるレベルで落ち着かせるよう設計されていました。解像力をあまり上げるとコントラストが低下するからです。
一般的な135判交換レンズの解像力は、1mm あたり100~150本程度です。解像力の高いフィルムで、キャビネサイズに引伸ばしても、人の目の識別能力を下回らないようになっています。
レンズの解像力をテストするためには、倍の解像力を持つフィルムが必要だと言われていました。(その逆も同様ですが・・)
デジカメの撮像板の解像力は、どのくらいあるのでしょう?
デジタルだから計算はすぐできます。あくまで理論値ですが、一辺のピクセル数を撮像板の長さ(mm)で割った値の半分が、撮像板の解像力となります。
例えば、135フルサイズ(35.9x24mm)のα 900 は、2460 万画素(6048x4032 ピクセル)です。撮像板 1mm あたり 168 ピクセルとなります。
1本の線を識別するためには、2ピクセルが必要です。従って、α 900 の CMOS の解像力は、84本/mm になります。まだレンズの解像力よりは低いですね。
APSC サイズの PENTAX K-7 はどうでしょう?
23.4x15.6mm で 1460 万画素(4672x3104 ピクセル)だから、1mm あたり 199 ピクセル。解像力は99本/mm です。α 900 よりも画素数は低いけど、フォーマットが小さいから、高い解像力が必要です。
いまのところ、デジタル一眼レフの撮像板が、レンズの解像力を上回っていないので、フィルム時代のレンズでも十分実用できます。
しかし、APSC のデジイチで 3000万画素以上になると、レンズの解像力を超えてしまいます。フォーサーズなら、2000万画素以下です。実際には、その半分を超えたあたりから、レンズの解像力が問題視されるはずです。
小さなフォーマットのままで画素数を上げていくと、いずれ限界がきます。デジイチのフルサイズ化は、避けて通れないでしょうね。
素子サイズと画質の関係はコチラを参照