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2009年08月15日の記事

2009/08/15(土)高解像力のレンズ

 コンパクトタイプのデジカメは撮像板が小さいので、1000万画素もの高画素になると、撮像板の解像力がレンズの解像力を大きく超えてしまいます。コントラストを犠牲にしてでも、解像力の高いレンズを搭載する必要があります。
 コンデジはレンズが固定されているから、専用設計のレンズを使い、画像処理でコントラストを上げることができます。レンズの性能よりも処理ソフトの出来で、画像が大きく左右されます。

 昔、PENTAX がポケット判(110)の一眼レフ Aoto-110 を発売したときに、レンズの解像力を上げたという話を聞きました。逆に、中判のレンズは、解像力よりもコントラストを重視した設計にしているとか・・・
 フォーマットが小さいカメラで、レンズ交換式というのは、かなり難しかったようです。

 フィルムでも高解像力のものがあります。
 カラーフィルムは乳剤層が厚く、粒子も大きめだから、1mmあたりせいぜい数十本ですが、モノクロの微粒子フィルムのなかには、150~200本/mm クラスのものがあります。レンズの解像力を超えたフィルムでは、使用するレンズの性質がモロに出ます。

 解像力が高いことと、写真の写りがいいこととは、イコールではありません。プリントは、虫眼鏡や顕微鏡を使って観賞するわけではないからです。
 職業写真家の間では、「画(え)のつながり」という言葉がよく使われます。
トーンの連続性や輪郭のエッジの立ち具合などを総合して「つながり」と言っているようです。

 デジタル写真では、この「つながり」がうまく表現されない傾向があります。CCD や CMOS の解像力を上げるために、画素数を高くすると1素子あたりの情報量が減って、ダイナミックレンジを広げられないという、ジレンマがあるからです。
 小さいフォーマットのまま高画素化する方法では、解像力は上がっても「つながり」が表現できません。画像処理ソフトでカバーするのは、限界があると思います。
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