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2009年08月08日の記事

2009/08/08(土)ラッキー・トキナーのレンズ

 現在はケンコーの傘下に入っているトキナーレンズが、東京光器製作所だった時代の話です。一時期、ラッキー・トキナーというダブルネームで販売していたことがあります。確か昭和40年ころだったと思います。

 ラッキーといえば、引伸機で有名な藤本写真工業(当時は藤本写真機製作所)のブランドです。どういういきさつだったのか、詳しいことはわかりません。当時トキナーというのは無名に近かったので、ラッキーのブランドにあやかったのかもしれません。
 レンズメーカーとしては、コムラー(三協光器)、サン(サン光機)、タムロン(当時は泰成光学)がありました。コムラーがダントツのトップメーカーだったようです。

 昭和50年代になると、ズームレンズでタムロンが追い上げ、コムラーは廃業に追い込まれます。サンは五藤光学の傘下に入って建て直しを図りますが、撤退を余儀なくされました。
 あの時代のレンズメーカーで残ったブランドは、タムロンとトキナーだけになります。両社は、よきライバルでした。

 タムロンが SP シリーズでユーザーの支持を得ると、トキナーも AT-X シリーズを投入して対抗しました。低価格競争に走るのではなく、性能を競い合う方向にいったのは、写真愛好家としては歓迎すべき傾向でした。
 レンズメーカーの製品は、「安かろう悪かろう」ではなく、カメラメーカーのレンズよりもコストパフォーマンスに優れている・・という認識を定着させたのは、両社の競争の賜物です。

 何年か前に、カメラ店の展示即売会でトキナーのブースを見かけました。メーカーの人がいたので、「ラッキートキナーさんですね」と声をかけたら、???です。
 しばらくして、そっけなく「そんな時代もあったね」と、中島みゆきみたいなセリフでした。(冗談の通じない人・・)

 昨年から、ラッキー製品の販売はケンコーに移りました。藤本写真工業はケンコーの傘下となりました。もう一度、ラッキー・トキナーのダブルブランドが復活・・・ それはないでしょうね。
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