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2009年08月03日の記事

2009/08/03(月)視覚に近い焦点距離

 元祖ライカの御威光で、標準レンズは 50mm と決まった135サイズですが、それ以外のフォーマットでは、標準レンズが何ミリとは決められていない・・というのが定説です。

 ブローニーフィルムを使う中判カメラは、送り幅によって画面サイズが変わります。6x4.5、6x6、6x7、6x8、6x9cm の他に、パノラマサイズの 6x12、6x17cm もあります。対角線の長さを基準にするのは、無理がありそうです。

 シックス判(6x6cm)は、縦位置・横位置にトリミングすれば、セミ判(6x4.5cm)と同じ・・という捉え方もあります。一般的には、セミ判の標準レンズは 75mm、シックス判の標準レンズは 80mm が多いようですが、決まりがあるわけではありません。

 6x7、6x9 サイズのカメラは、集合写真によく使われました。天地よりも横方向にどこまで入るかが重視されます。ワイドレンズが 135 換算で何ミリに相当するかは、対角線ではなくて、長辺の画角を基準にしたほうがわかりやすいと思います。

 シノゴ(4x5インチ)の標準レンズが 150mm というのは、対角線の長さを基準にしています。どちらかというと、アマチュア向きの説明です。
 ブツ撮りをやっているプロで、150mm が標準レンズだと思っている人は、まずいないと思います。150mm では商品の形が歪みます。人間の視覚よりもワイドなレンズです。

 シノゴの権化、「酸化セリウム」の先生が愛用していたブツ撮り用レンズは、「ニットー」すなわち 210mm です。標準より少し長めの焦点距離がいい・・とか言っていたから、180mm あたりがシノゴの「標準レンズ」なのかもしれません。
 短辺と長辺のどちらを重視するかで、意見がわかれそうですが、面積比を基に計算すると、135判の 50mm は シノゴでは 約190mm となります。微妙ですね。
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