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2009年08月01日の記事

2009/08/01(土)標準レンズは何故50mm

 一眼レフにズームレンズをセットして売られるようになったのは、オートフォーカス化される少し前からです。キヤノン AE-1 やミノルタ X-700 あたりからだったと記憶しています。

 それまでは、レンズ付といえば、50mm クラスの標準レンズでした。当時の標準価格は、レンズ単体で F1.4 が3万円前後、F1.7/1.8 が2万円前後。F1.4 付で買うのが一般ユーザーのステータスでした。
 一番数が出たから、標準レンズが最も明るくて安いという図式は、どのメーカーでも同じでした。いまとはずいぶん違いますね。

 標準レンズの定義は、諸説あります。フォーマットサイズの対角線だとか、人間の目で見た遠近感に近いものとか、メーカーがセットでつけたレンズだとか、様々な解釈があります。

 135フルサイズの対角線は、43.3mm だから、PENTAX FA43mm F1.9 Limited が本物の標準レンズという解釈も成り立ちます。開発意図も確かそんなだったような・・・
 この説に従えば、APSC サイズの標準レンズは、28.7mm となります。

 人間の目の遠近感に近い・・というのは、実際には 50mm よりも長いように思います。58mm とか 60mm とか、人によって言い分は違います。「肉眼で人物を見る感覚に近い」のが 77mm というメーカーもあるくらいだから、少なくとも 50mm よりも長いのは間違いなさそうです。

 メーカーがセットでつけたレンズが標準レンズだ・・というのは、いかにも日本的な発想ですね。郷に入りては郷に従え、長いものに巻かれろ・・ではないけど、既成事実の積み重ねで合意形成されたものを基準にするのは、異論の出にくい考え方です。

 135フルサイズはライカ判とも言いますが、ライカの技術者が 50mm を標準レンズにしたのには、それなりの理由があった思います。
 各メーカーが ライカに追随したのは、人間の視覚に近く、かつ明るいレンズを作るのに、都合がよかったからでしょう。
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