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2009年08月11日の記事

2009/08/11(火)バリオゾナーと単焦点

 ツァイスとヤシカが協同して復活させた CONTAX は、当時のカメラ界に様々な波紋を起こしました。一番ショックを与えたのは、良いレンズに対する考え方です。
 当時の日本のレンズは、解像力に重点が置かれていました。それに対してツァイスのレンズは、コントラスト重視です。コントラストか解像力か・・・ 一大論争が巻き起こります。

 レンズの設計は、解像力を上げればコントラストが低下し、コントラストを上げれば解像力が落ちるという、二律背反の世界です。双方のバランスをどこでとるかが本質的な問題なのですが、日本のメーカーは、解像力に少々偏りすぎていたのかもしれません。

 それと同時に、単焦点かズームレンズか・・という論争も起きました。単焦点レンズのほうが、ズームレンズよりも写りがいいのは常識です。ズームレンズの性能が、著しく向上してきたことで、この常識が微妙に変化した時代でもありました。

 当時のツァイスは、単焦点・大口径が得意でした。なぜ日本人は暗くて性能が劣る高いズームレンズを欲しがるのか?と不思議に思われていたそうです。同じ金額で明るくて高性能の単焦点レンズが何本か買えるのに・・という言い分です。
 自社のバリオゾナーを「高くて性能が劣るレンズ」と言うこところが、ツァイスらしいですね。確かに値段は高かったけど、写りは並の単焦点レンズを越えていたと思いますが・・・

 時代は変わって、デジタル一眼レフが全盛です。ソニーがα用として、ツァイスの交換レンズを供給しているのには心が動きます。APSC 専用は1種類だけで、135フル対応がほとんどです。ズームタイプのバリオゾナーが中心で、得意の大口径単焦点レンズは2本だけ供給されています。

 中望遠定番の Planar T* 85mm F1.4 ZA は、やはり135フルで使いたいレンズです。レンズ構成は従来のプラナーを踏襲しつつ、後玉を2枚追加した新設計です。
 Sonar T* 135mm F1.8 ZA も魅力のある大口径レンズです。CONTAX 用はプラナー 135mm F2 でしたが、α用はゾナーとなっています。特殊低分散ガラスを2枚使った新設計です。
 どちらもフルサイズのα 900 で使いたいですね。(私は潜在的にズーム嫌いなのかも?)
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