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2009年08月17日の記事

2009/08/17(月)A/D変換のビット数

 デジタル一眼レフの性能を比較検討する場合、撮像板のサイズや画素数のほかに、A/D変換のビット数がいくつか?という問題があります。
 A/D変換とは、撮像板が受けた光のアナログ(A)情報をデジタル(D)データに変換することです。ビット数が多いほど多諧調になります。

 現在、ニコン・キヤノンでは、上位機種は 14bit、普及機は 12bit という振り分けになっているようです。これを以って、14bitが高画質の必須条件だとする見方があります。
 ソニーα 900 のカタログを見る限りでは、A/D変換が何ビットかは書かれていませんが、CMOSのプレスリリースでは 12bit となっています。α 900 は、他社の14bit機よりも劣るのでしょうか?

 ミノルタが2003年に出したレンズ固定式の一眼レフ DiMAGE A1 や、同じ年に発表されたフジフィルムの CCDハニカムSRも 14bit A/D変換を採用しています。
 JPEGデータは 8bitだから、8bit以上にしても意味がないというのは極論です。8bitのJPEGデータをある程度の画質でまとめるためには、12bit 程度に A/D変換しておく必要があります。12bit と 14bit でどのくらいの差が出るか?ですね。

 A/D変換のビット数が増えることと、ダイナミックレンジが広がることとはイコールではありませんが、広げるのに有利なのは間違いないようです。
 ただし、単純にビット数を上げればいいという問題でもなさそうです。アナログ回路の S/N比や A/D変換器の性能など、数値だけでは比較できない要素が絡んできます。連射速度やデータ処理の時間にも影響します。もちろんコストにも!

 α 900 の CMOS は、列並列A/D変換方式の採用で、高S/N比と高速読み出しを実現したとされています。135フルサイズで 2460万画素のスペックなら、無理して 14bit にする必要はないということかもしれません。
 ニコンの D3X みたいな価格だったら、とても手が出せないし・・・

 画素数や連射速度に比べて、A/D変換は一般ユーザーにわかりにくい概念です。撮像板の性能を上げるためには、それに付随する処理回路の進化が求められます。
 願わくば、動画機能よりもスチール写真の高画質化を念頭に、今後の開発を進めてもらいたいですね。
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