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2011年08月18日の記事

2011/08/18(木)視野率100%の拘り

 一眼レフは、実際に写る範囲がファインダーで確認できます。パララックス(視差)がないので、接写するときには便利な機構です。ただし、視野率が 100% の機種は高級機に限られます。

 普及型では、ファインダーで見るより広い範囲が写ります。一般的に視野率は対角線で表わすから、視野率 95% だと面積比で9割しか見えていないことになります。90% で約8割です。
 フィルム時代には、原板をデュープ(複製)するときに視野率 100% でないと不都合な場合がありましたが、普通の撮影では、多少余分に写っても困ることはありませんでした。マウント枠やフィルムキャリアのケラレがあるから、少し広めに撮れるほうが違和感が少ないはずです。

 視野率をきっちり等倍にするのは、かなり難しいとされています。そのぶんコストが掛かります。必要のない機能であれば、余分なお金を払うことになります。
 それでも視野率 100% に拘る人は大勢います。高級機のステータスのひとつになっているからなのか、それとも神経質な人が多いのか?

 往年の名機ニコン F/F2 は視野率 100% でした。それに対し、キヤノン F1 は 97% でした。たった 3% のことですが、次点の扱いに甘んじた理由のひとつでした。
 光学式の一眼レフファインダーで視野率 100% は、それほど難しい技術だったみたいです。ニコンがフラッグシップ機にしか採用していないところをみても肯けます。
 PENTAX のフラッグシップ機 LX は、縦 97%、横 95% でした。デジイチの K-7 が、ほぼ 100% だったのを画期的とする評価があったのは、記憶に新しいですね。

 デジタル一眼レフの場合は、ライブビュー機能のある機種なら、そちらで等倍で見られればいいのでは? 光学系で 100% にするよりもコスト的に安く済むと思います。
 これからは電子式のファインダーが増えそうな気配です。普及型でも視野率 100% の時代がやってきました。
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