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2011年09月02日の記事

2011/09/02(金)PLフィルターは必需品

 写真のデジタル化で出番の少なくなった光学フィルターですが、偏光(PL)フィルターは健在です。画像処理では代用できない使い道があるからです。
 空の青さを強調するのは画像処理でもできますが、ガラスや水面の反射を除去するのは PL フィルターに限ります。

 ガラスに映った反射光は、なぜか光の振幅が同じ方向に揃っています。偏光膜をサンドイッチした PL フィルターを回転させると、ある角度で映り込みがフッと消えます。ガラスを透過して見える向こう側は、変化がなくそのままだから写真に写ります。

 PL フィルターには、普通のタイプと円偏光タイプの2種類ありますが、写りはどちらも同じです。一眼レフでオートフォーカス機能を使うときに、円偏光タイプでないとピントが合わないことがあるだけです。ハーフミラーで光路を逆方向に曲げて、AF センサーに光を送っている関係です。
 デジタルカメラの場合、撮像センサー側でコントラストを検出する方式は、円偏光タイプでなくても AF 機能は働きます。

 PL フィルターは、反射光を除去していない状態でも透過してくる光量が少なくなります。透過光は 1/5~1/10 くらいでしょうか。
 この性格を利用して ND フィルターの代わりに使うことができます。F1.4 や F2 クラスのレンズを絞り開放で使うときに重宝します。

 昨年、従来品よりも1EV 明るいタイプが発売されました。1EV というと1絞り分明るくなった計算です。実際に使ってみたことはありませんが、色味の変化がなければ実用性は高いと思います。
 PL フィルターは、偏光膜の経年変化で発色が変わります。使用状態にもよりますが、数年をメドに買い換えるのが普通です。今度は明るいタイプにしますかね。
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