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2011年09月25日の記事

2011/09/25(日)鏡の前のカメラが映らない方法

 商品撮影のテクニックで、正面から撮影した鏡にカメラが映りこまない方法があります。アオリを使います。もし本当に鏡の正面にカメラを構えたら、間違いなくカメラが映り込みます。実際には映り込まない位置に構えておいて、いかにも正面から撮影したように見せかけるわけです。

 アオリの仕方は二通りあります。斜めから構えておいて、バックティルトで四隅を直角に矯正すれば、正面から撮ったように見えます。
 斜めに構えると、被写界深度を稼ぐために絞り込む必要があります。フロントティルトでピント面の移動は可能ですが、形を整えながらのアオリは、かなりの熟練を要します。

 もうひとつのアオリ方は、映り込まない位置までカメラを平行移動し、レンズをスライド(横シフト)させて被写体を真ん中に持ってくる方法です。
 この方が被写界深度を稼ぎやすいので、照明のパワーが少なく済みます。パースの矯正もほとんど要りません。

 いずれの方法も鏡には別の面(ペーパースクリーンなど)を映り込ませて、それをライティングします。真っ白でよければ簡単ですが、グラデーションをつけるとなると少々やっかいです。腕の見せ所ですね。

 アオリを使うと、被写体からくる光は撮像面に斜めから当たります。平行スライドした場合でも、レンズの隅の像で撮影することになります。デジカメには苦手な状況には違いありません。

 デジタル写真の場合は、真正面から写しておいて、鏡の部分だけ別の画面を合成するのが、手っ取り早くて簡単かもしれませんね。
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