2009/08/16(日)デジイチの本命はフルサイズ

 いままであまり興味がなかったデジタル一眼レフですが、そろそろ買い増し(買い替え?)の時期にさしかかった気がします。
 昔と違って、次から次へとカメラを買うのは もうやめました。過去の反省に立って、少しは進歩しないといけません。今度買ったら、数年は使い倒さないと・・・

 そんな想いから、レンズの解像力や撮像板の画素数など、おさらいのつもりでひと通り検討してみました。
 結論から言うと、135フルサイズのデジイチが最有力候補です。

 コニカミノルタのα7 DIGITAL(ナナデジ)では、不便に思う点がいくつかありました。 手元にあるレンズが、そのままの画角で使えないというのは、
何とも情けない話です。長年慣れ親しんできた焦点距離の感覚が狂います。
 画素数が 620 万画素というのも不満です。ノートリが原則の信条からすると、六切で 300dpi を切る画質では、使い道が限られます。

 従って、ナナデジは主に仕事で使うメモカメラという位置づけでした。
それならコンデジでも代用できないことはありません。デジイチでなければ・・というのは、外部ストロボを使うときくらいです。

 135フルで 2000万画素を超えるようになって、やっとフィルムと肩を並べるようになったと感じます。
 フィルムはアナログだから、単純に画素数換算して比較することには無理があります。仮にリバーサルフィルムが1000万画素相当だとしても、APSC で 1400万画素のデジカメのほうが上だとするのは、かなり単純で偏った見方です。

 135フルのデジイチは、APSC よりも値段が高いのがネックです。
 しかし、APSC サイズだと、ワイド側のレンズを追加する必要があります。セットズームでは、ワイド側が足りないから、2~3万円の追加では済みそうもありません。
 APSC カメラ+ワイドレンズの予算を組むなら、もう少し足せばフルサイズのボディーに手が届きそうです。価格が安いからという理由だけで APSC にダウンサイジングするのは、選択を誤る基になります。

2009/08/15(土)高解像力のレンズ

 コンパクトタイプのデジカメは撮像板が小さいので、1000万画素もの高画素になると、撮像板の解像力がレンズの解像力を大きく超えてしまいます。コントラストを犠牲にしてでも、解像力の高いレンズを搭載する必要があります。
 コンデジはレンズが固定されているから、専用設計のレンズを使い、画像処理でコントラストを上げることができます。レンズの性能よりも処理ソフトの出来で、画像が大きく左右されます。

 昔、PENTAX がポケット判(110)の一眼レフ Aoto-110 を発売したときに、レンズの解像力を上げたという話を聞きました。逆に、中判のレンズは、解像力よりもコントラストを重視した設計にしているとか・・・
 フォーマットが小さいカメラで、レンズ交換式というのは、かなり難しかったようです。

 フィルムでも高解像力のものがあります。
 カラーフィルムは乳剤層が厚く、粒子も大きめだから、1mmあたりせいぜい数十本ですが、モノクロの微粒子フィルムのなかには、150~200本/mm クラスのものがあります。レンズの解像力を超えたフィルムでは、使用するレンズの性質がモロに出ます。

 解像力が高いことと、写真の写りがいいこととは、イコールではありません。プリントは、虫眼鏡や顕微鏡を使って観賞するわけではないからです。
 職業写真家の間では、「画(え)のつながり」という言葉がよく使われます。
トーンの連続性や輪郭のエッジの立ち具合などを総合して「つながり」と言っているようです。

 デジタル写真では、この「つながり」がうまく表現されない傾向があります。CCD や CMOS の解像力を上げるために、画素数を高くすると1素子あたりの情報量が減って、ダイナミックレンジを広げられないという、ジレンマがあるからです。
 小さいフォーマットのまま高画素化する方法では、解像力は上がっても「つながり」が表現できません。画像処理ソフトでカバーするのは、限界があると思います。

2009/08/14(金)デジカメの解像力

 デジタルカメラの高画素化で、レンズの良し悪しに関する評価がシビアになってきました。600万画素程度なら気にならなかったレンズのアラが、1000万画素を越えるようになってから、苦になる場合があります。

 フィルム時代には、レンズの解像力を極限まで上げるよりも、適度なコントラストが得られるレベルで落ち着かせるよう設計されていました。解像力をあまり上げるとコントラストが低下するからです。
 一般的な135判交換レンズの解像力は、1mm あたり100~150本程度です。解像力の高いフィルムで、キャビネサイズに引伸ばしても、人の目の識別能力を下回らないようになっています。

 レンズの解像力をテストするためには、倍の解像力を持つフィルムが必要だと言われていました。(その逆も同様ですが・・)
 デジカメの撮像板の解像力は、どのくらいあるのでしょう?
 デジタルだから計算はすぐできます。あくまで理論値ですが、一辺のピクセル数を撮像板の長さ(mm)で割った値の半分が、撮像板の解像力となります。

 例えば、135フルサイズ(35.9x24mm)のα 900 は、2460 万画素(6048x4032 ピクセル)です。撮像板 1mm あたり 168 ピクセルとなります。
 1本の線を識別するためには、2ピクセルが必要です。従って、α 900 の CMOS の解像力は、84本/mm になります。まだレンズの解像力よりは低いですね。

 APSC サイズの PENTAX K-7 はどうでしょう?
 23.4x15.6mm で 1460 万画素(4672x3104 ピクセル)だから、1mm あたり 199 ピクセル。解像力は99本/mm です。α 900 よりも画素数は低いけど、フォーマットが小さいから、高い解像力が必要です。

 いまのところ、デジタル一眼レフの撮像板が、レンズの解像力を上回っていないので、フィルム時代のレンズでも十分実用できます。
 しかし、APSC のデジイチで 3000万画素以上になると、レンズの解像力を超えてしまいます。フォーサーズなら、2000万画素以下です。実際には、その半分を超えたあたりから、レンズの解像力が問題視されるはずです。

 小さなフォーマットのままで画素数を上げていくと、いずれ限界がきます。デジイチのフルサイズ化は、避けて通れないでしょうね。
素子サイズと画質の関係はコチラを参照
OK キャンセル 確認 その他