2009/08/07(金)自社ブランドのレンズは赤字?

 デジタル一眼レフのブームで、レンズメーカーもさぞかし業績がいいように感じますが、実態はどうでしょうか?
 写真愛好家やカメラファンの多くは、自社ブランドの交換レンズがそのメーカーの主力商品だと思い込んでいます。でも、実際にはそうではないようです。

 レンズメーカーは、自社ブランド製品のほかに、他社向けのOEM製品や、工業用の特注品を手がけています。一般ユーザーには見えない分野での業績が、全体を大きく左右するという話を聞きました。
 世界的な不況の波を受けて、昨年あたりから業績が落ちている・・というのが実態のようです。ひとつくらいヒット商品が出た程度では、挽回するのは難しいようです。

 数年前、あるメーカーの人とパッタリ会ったときに、お茶を飲みながらアレコレ話をしました。以前は交換レンズの国内販売部門にいた人ですが、そのときは特機部門に替わっていました。
 聞くと、交換レンズ部門は赤字で、特機部が稼いで業績を支えているんだとか・・・ 交換レンズの連中は自分が食わせてやっているようなものだ・・と豪語していました。昔から大風呂敷でしたが、まんざら嘘ではなさそうです。

 自社ブランドの製品は、自前の営業部隊が販売しなければならないので、いろいろ経費が掛かります。OEM製品なら作って納めるだけで、あとの販売業務は他社の人間がやってくれます。
 よほどブランド力と商品力がない限り、自社製品は儲からない・・というのがセオリーのようです。

 特機関係は、設計開発費は掛かりますが、付加価値が高い分野です。具体的に何を作っているのかは、相手側企業のこともあり詳しくは聞きませんでしたが、結構「おいしい」仕事みたいです。
 多分、他社向けのレンズユニットだとか、特殊設計の光学レンズ、生産ラインセンサーなんかでしょうね。監視カメラ用のレンズもやっていたと思います。

 最近 役員名簿を見ていたら、国内販売の部長より上に名前が出ていたから、特機部が支えていたというのは、大風呂敷ではなかったみたいですね。

2009/08/06(木)レンズメーカーの今昔

 昔からレンズ専門メーカーは何社かありました。現在では、タムロン・トキナー・シグマくらいしかお目にかかりません。あとはコシナですか・・・
 ほかのレンズメーカーは、どうしたのでしょうか?

 コムラー(三協光機)やサンレンズ(サン光機)は、ずいぶん前に姿を消しました。ほかにもトップマンとかテフノンとか、いろいろありましたね。
 廃業してしまったメーカーもあれば、ほかの事業で現存している企業もあります。日東光学は、自社ブランドのコミナーレンズは早々にやめてしまいましたが、カメラ用のモジュールなど部品メーカーとしては大手企業です。

 レンズメーカーの衰勢は、ズームレンズの普及と関係がありそうです。計算尺で手計算していた時代から、スーパーコンピューターによる設計に変わって、ズームレンズの性能は、飛躍的に向上しました。
 それに追いついていけなかったメーカーの多くは、脱落することになります。

 レンズメーカーは、自社ブランドのレンズだけを生産しているわけではありません。カメラメーカーにOEMで供給している企業もあります。
 ソニーは VTR レンズをタムロンに作らせていたし、コニカミノルタから引継いだα用レンズのなかには、タムロン製のものが何本かあります。

 世界初の本格的オートフォーカス一眼レフ α 7000 が出たころには、ミノルタとタムロンは、同じ組み立て工場を使っていたことがありました。
 爆発的な人気で、作っても作ってもα用のレンズが足りません。ちょっと目を離している隙に、組み立てラインをミノルタにとられてしまってはいけないと、タムロンの現地担当者は工場に日参していました。営業ではなくて、監視する役目です。

 コニカミノルタが、ソニーに一眼レフ事業を売却譲渡した裏には、こうした長年にわたる企業同士の協力関係があったからだと推察します。
 ケンコーの子会社になったトキナーは、いまや HOYA グループです。HOYA に吸収合併された PENTAX とは「親戚関係」にあたります。カメラメーカーの再編で、レンズメーカーの位置関係も変わっていくと思います。

2009/08/05(水)デジイチの広角レンズ

 デジタル一眼レフの購入を考えていて、どのレンズを追加するか、自分なりに検討してみました。ワイド系は、手持ちのレンズではいろいろ問題がありそうです。

 まず、撮像板のフォーマットをどうするか?ですね。135フルか APSC かで、事情はガラリと変わります。
 ニコン・キヤノンは この際置いといて、ソニーと PENTAX だと、135フルは現時点でα 900 しかありません。ボディーのお値段は結構しますが、いまあるミノルタのレンズは、すべてそのままの焦点距離で使えます。レンズを追加する必要がなければ、選択肢のひとつです。
 ソニーαにするなら、もうひとつの候補は α 700 ですが、生産完了が発表されています。噂の後継機がハッキリするまでは、比較検討はお預けですね。

 PENTAX にするなら、K-7 でしょうね。動画機能や顔検知は必要ないけど、無視すればいいことです。
 ワイド系は、フィッシュアイ・ズーム FA17-28mm で・・というわけにはいかないから、何か買わないといけません。将来 135フルが出たら・・なんてことは考えずに、ここは APSC 専用のタマを何にするかです。

 一番手っ取り早いのは、DA12-24mm F4ED AL[IF] です。135換算で 18.5-37mm 相当なら、あいた穴は埋まります。
 ただし、実勢売価を調べてみると、結構いいお値段です。18-55mm あたりのセット用レンズと比べると、ずいぶん値段が違います。27.5-84.5mm 相当では常用の標準ズームにはなっても、ワイド側に不満があります。好みの 24mm 相当は外せません。(APSC 専用のタマにお金をかける気はないし・・)

 ここはサードパーティーのレンズも対象に加えたほうがよさそうです。
 タムロンの SP AF10-24mm F3.5-4.5 DiⅡ [B001] あたりが、安くて良さそうな・・・ 135換算で 15.5-37mm は、PENTAX 純正よりもワイド側に強いスペックです。
 あとはシグマの 10-20mm F3.5 か、トキナーの 11-16mm F2.8 あたりですが、ニコン・キヤノン用以外は、いつ発売になりますやら・・・
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