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2010年11月09日の記事

2010/11/09(火)初めてのラピッドカメラ

 ラピッドフィルムの存在を初めて知ったのは、学生写真連盟の撮影会です。高校の先輩から人数が足りないとかで動員が掛かり、わけもわからず参加しました。モデルもいない、ただの野外撮影会でした。

 当時としては珍しく、参加した仲間は皆一眼レフを持っていました。コンパクトカメラは、「酸化セリウム」の先生くらいです。オリンパス・ペンDでした。そういえば、一人だけマミヤプレスなんて変わり者もいましたね。

 FUJIFILM が一枚噛んでいて、カメラの貸し出しをやっていました。「おじちゃんがいいカメラを貸してあげるからね」とばかりに、箱から取り出してきたのがラピッドカメラでした。フィルムも1本オマケしてくれるそうです。

 カメラはどう見ても撮影会に使うようなシロモノではなさそうです。フィルムが貰えるならと、大勢集まってきたものの、専用マガジンだから使えません。
 皆ガッカリして、誰一人として借りる者はいませんでした。首から一眼レフを下げた学生を恨めしそうな目でみながら、「このクソガキどもめ!」といった表情で、デモ機を片づけていました。気の毒に、無駄足でしたね。

 このときの「おじちゃん」が、プロ部門担当のT氏だったと思い出すことになるのは、ずいぶん後になってのことです。「あのときラピッドを宣伝してたでしょ」と聞いたら、「そんなこともありましたね」とバツが悪そうでした。メーカーの人にとっては、苦い思い出です。

 当時のメーカーは、売れ行き不振のラピッドを宣伝するのに必死だったんだと思います。早々に製造打ち切りになるとわかっていたら、話の種で借りとけばよかったと、いまでは後悔しています。
 「おじちゃん」の顔も立ったことだし・・・
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