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2010年11月26日の記事

2010/11/26(金)補助金の経済効果

 車の補助金がなくなり、メーカーは減産に舵をきりました。まだエコカー減税はあるものの、駆け込み受注で当面の需要を先取りしてしまったみたいです。
 このときの苦い経験から、家電品のエコポイント打ち切りは、ソフトランディングを狙って段階縮小にしました。来月から半減となります。

 家電店は、最後の追込みに躍起です。いま買わなきゃ損とばかりに、チラシには消費意欲を煽る文言が並んでいます。そのなかに、「他店のオープンチラシをご持参ください」というのがありました。新規出店の店を意識した広告です。家電量販店は、血みどろの戦いを繰り広げています。

 省エネを名目に、消費の押上げが目的で導入された補助金制度ですが、実際の経済効果はどうでしょうか? 
 確かに車は売れたし、家電製品の売れ行きもいまのところ好調のようです。でも、消費者の財布はひとつです。車を購入したり、エコ家電に買い換えたりすることで、別の消費にしわ寄せがいっているのではないか?との疑問が浮かびます。

 そんな懸念を証明するかのように、衣料品の売上がダウン傾向にあるという統計が出ていました。売上が下がれば、値下げして需要を取り込もうという動きになります。安易な拡販策ですが、これがデフレ傾向に拍車をかけます。
 「風が吹けば桶屋が儲かる」という摩訶不思議な経済原理は、いつの時代でも一緒です。補助金で息をついた業界もあれば、割を食った業界もあります。補助金がなくなれば、それがどう影響するのか?読みきれない部分があります。

 先行き不安から、お金を持っていても使わない世相があります。所得が減って、消費意欲が低下している層も増えました。
 お役所の考えでやる一時的な補助金が、景気全体を底上げするとは思えません。民間の活力を上げる地道な施策が必要でしょうね。
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