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2008年03月25日の記事

2008/03/25(火)ストロボ工場見学

 ずいぶん前になりますが、国内ストロボメーカーの工場を見学させてもらったことがあります。現在は、すでに廃業していて、手元に1台だけ当時の製品が残っています。懐かしいですね。

 カメラメーカーでストロボを自社生産しているところはありません。「餅は餅屋」で、ストロボメーカーに作らせるわけです。カメラメーカーのひとは、「純正品」なんて言いかたをよくしますが、どこが純正なんでしょうね。
 このメーカーも自社ブランドのほかに、カメラメーカー向けのストロボを作っていました。ポラロイド社向けの専用ストロボです。

 工場のなかで、プラスチックの籠にビッシリ並べて、何段か積み上げて検査室に運んでいました。独特の形なので、すぐにポラ用とわかりましたが、あまり見られたくなかったようです。
 1台ずつビニールの袋に入っていました。検査が終わって箱詰めするときには、ビニール袋は外すとのこと。アメリカの企業は、ビニール袋に入れることをムダな包装と考えているようです。傷がつくといけないので、工場内だけ使っていると言ってました。
 日米の文化の違いを垣間見た感じです。

 ストロボの製品検査は、特殊な検査室で実際に電池を入れて1台ずつ行ないます。新品のアルカリ電池を使っていました。
 検査が終わったあとの電池は、発火テストなどに回されます。木の箱に単三電池が山盛りになってました。電池メーカーからかなり安く入っていると思いますが、結構な手間と経費です。

 稼動中だったので、検査室のなかまでは見ませんでした。壁との距離や反射率を計算して、ガイドナンバー(GN)どおり規定の光量があるか計測できるように設計されているそうです。
 壁からの反射光がGNを測る大事な要素です。すっぽ抜けの屋外では、GNどおりの計算は成り立たないことになります。

 コンパクトカメラ用の内蔵ストロボも作っていて、組み上がったパーツを見せてもらいました。「こんな部品じゃいくらにもならないが、これでも1台ですからね」と、グチっぽい話もしてました。
 後から聞いた話ですが、廃業したのは、儲からないからではなく、余剰資金で始めた材木関係の別事業が原因とか・・・ 「転ばぬ先の杖」が先に折れてしまったようです。
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