2008/03/28(金)2灯のときのGN

 ストロボを2灯同時に使ったときのガイドナンバー(GN)は、いくつになるのでしょう。簡単そうで難しい問題です。

 同じ光量のストロボを2灯焚いたときは、1灯のGNのルート2倍(約1.4倍)になります。GN20が2灯ならGN28です。GN40にはなりません。GN40にするためには、GN20のストロボが4灯必要です。

 この答えは、一般的に正しい模範解答です。実際には、この計算どおりにいかない場合があります。
 集合写真を撮るときに、左右の両隅までストロボ光が回らないことがあります。これをカバーするために、ストロボをカメラの左右に振り分けて2灯セットしたときは、1灯と同じGNで計算します。
 照射角度を広げるために2灯使うわけですから、光量が2倍にはなりません。

 照射角度は十分あるが、光量が足りないのでカメラ位置に2灯束ねて使う場合は、光量は2倍になります。GNは1灯のときの約1.4倍で計算します。
 GNが異なるストロボを2灯束ねたときの計算方法は、少々ややこしくなります。ストロボAがGN20、ストロボBがGN30の場合は・・・
 (20x20)+(30x30)=1300 (それぞれのGNの自乗の和を出す)
 この数値の平方根が合算したGNとなります。答えはGN36です。

 最近の電卓には、平方根(ルート)のキーがない機種が多いですね。多少高くてもルート計算できる電卓を購入するようお薦めします。

2008/03/27(木)業務用ストロボのガイドナンバー

 ワットセコンド(WS)といわれても一般のアマチュアにはピンときません。ガイドナンバー(GN)に換算すると、どのくらいの数値になるのでしょう。

 業務用ストロボでGN表示をしていた機種があります。集合写真専用のストロボです。PROPETがH-215という発光部と1200WSクラスの電源部をセットで販売していました。当時はGN120という表示でした。

 このヘッド(発光部)は特殊な反射傘を採用していて、画面の隅にいくほど明るくなるよう設計されています。普通のヘッドは画面の隅にいくほど暗くなります。中心よりも1絞り暗くなるところまでを有効照射角として表示しています。
 集合写真では、中心よりも周辺のほうがカメラから遠くなるので、周辺での光量低下が著しくなります。H-215は周辺まで均一な照明が得られる画期的なものでした。
 その代わり、照射角度は68度で、135換算で28mmだとギリギリです。センターをキッチリ決めるために、モデリングランプがビーム状に照射するようになっています。

 このヘッドは現在でも単体で販売されていますが、いまはGN表示はしていません。11m先の被写体をF11で撮影しても露出不足になることはなかったので、「不当表示」ではなかったのですが、日本工業規格のGNとは違うからでしょうか。
 当時の営業担当者は、「本当にGN120あるのでサバを読まないでください」といってました。一般に使われているGNは、あまりアテにならないことをプロは知ってますからね。

2008/03/26(水)業務用ストロボ

 一般のひとが使うことはまずありませんが、業務用のストロボは「ガイドナンバー」(GN)ではなく、「ワットセコンド」(WS、Ws)で光量を表します。

 一般向けのストロボは、発光部が決まった形をしているので、全力発光したときの明るさは一定です。業務用のストロボは、直焚きしたときと面光源にしたときで明るさが変わります。面光源には、パラソル(反射傘)と バンク(透過ボックス)があって、それぞれ明るさが違います。
 バウンス(反射)よりもディフューズ(透過)のほうが効率が2倍程度良いとされています。

 業務用のストロボは、発光部側の方式に左右されない電源部のパワーで光量を表示するようにしています。これがWS表示です。
 ワットセコンド(WS)は、1秒間露光したときに写真電球なら何ワットの光量になるかで表しています。300WSは、300Wの写真電球を1秒間照射した光量に相当します。100Wの電球なら、3秒間露光したことになります。

 実際には、業務用ストロボの閃光時間は数百分の1秒なので、300Wの電球を数百個並べたくらいの光量が、一瞬にして出ていることになります。かなり明るいですね。
 ストロボ光は一瞬の光です。シャッター速度を遅くしてもストロボ光の露出は変わりません。その場の自然光(室内光)が効いてくるだけです。

 デジタルカメラの時代になって、業務用ストロボは容量の小さいタイプが発売されています。150WSくらいのモノブロックタイプ(電源部と発光部が一体になっているタイプ)なら、アマチュアが使うこともあるでしょうね。
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