2008/03/16(日)三脚はステータス?

 手ブレ補正機能の登場で、三脚の出番は減りました。小型のデジタルカメラなら、写真愛好家でも三脚を持たずに出かけるひとが多いと思います。1コマごとにISO感度が変えられるので、ISO1600かISO3200まで上げれば、画質はともかく、なんとかブレずに写せます。

 フィルムカメラ全盛の時代は、「写真が趣味」を自認するひとは、皆三脚を担いでいました。とくに風景写真を撮るひとには、必需品でしたね。画質重視のリバーサルフィルムは、ISO50か100ですから、被写界深度を稼ぐために絞り込むと、シャッター速度は必然的に手ブレ領域です。
 ブローニー判のカメラは、三脚と「一心同体」でした。傷だらけのボロボロになった三脚が、そのひとの「写歴」を物語っていましたね。一種のステータスです。

 三脚メーカーから、たまに「B級品」という傷モノが放出されることがあります。「新品」だけど傷があるから新品としては売れない・・・つまり特価品扱いということです。
 量販店の展示用か、クレーム品の再生版か、理由はともかく安いわけです。三脚はすぐに傷がつくので、多少の傷など問題ではありません。カーボンや大型のものは、めったと出ませんから、見つけたらラッキー!ですね。

 手元にあるVelbonのNeo Carmagne 730は、運良くB級品をゲットしました。840と2本あって、840のほうを買うつもりでしたが、話を聞きつけた知り合いのプロの先生に、横からさらわれてしまいました。プロは大きいのに目がないですね。
 「お前は趣味だが、私は写真で稼ぐ!」というのが、この先生のいつもの口説き文句です。それでも譲るのを渋ると、「私が使えば世のため人のためになる」と畳み掛けてきます。
 泣く子とプロには勝てませんね。

 写真機材を担いでいる人と遭遇したら、カメラでなく三脚を見ます。
 カメラは、見栄や道楽で高級機を持っている素人が大勢います。三脚に金をかけているのは、大抵プロか腕の立つアドアマですね。
 ハスキーの3段なら、コマーシャル系かな?なんてアテ推量するわけです。

 「いい話を聞いた!」と、結婚式場に大きな三脚を持っていくのは、やめといたほうがいいと思います。カメラの良し悪しはわからなくても、大きな三脚は目立ちます。
 業者と間違われて、あとで「持込料」を請求されたら、新郎新婦がかわいそうですからね。

2008/03/15(土)卓上三脚の活用法

 デジタルカメラが主流になってから、三脚の人気がなくなった気がします。手ブレ補正機能が一般化してますから、三脚は要らないと思っているひとは多いと思います。
 コンパクト型のデジカメは、光学ファインダーがない機種がほとんどなので、顔にピッタリつけて撮影することができません。腕を伸ばした不安定な状態で撮影するので、実際には手ブレ補正機能がなければ「ブレまくり」です。

 3段式や4段式の三脚は、かさばるので、持ち歩くのは不便です。卓上式のミニ三脚でいいから、常時携帯するようにしたいですね。机や車のボンネットなどに載せれば、高さは稼げます。
 脚が伸ばせるタイプなら、胸に当てて手ブレを防ぐことができます。一眼レフは、ファインダーを顔につけて撮影するので、脚が短くても使えるけどね。

 横に倒して壁につければ、かなり低速でもブレずに撮ることができます。地面や床に置いて使えないミニ三脚でも、ちょっとしたアイデアで本格的な三脚と同じ効果を出すことが可能です。

 ライカでおなじみのLeitz社から、卓上三脚が販売されています。底のネジを緩めてたたむと「く」の字型になる独特の形をしていて、人が乗っても壊れないくらい頑丈なつくりになっています。そのかわり、脚を伸ばして使うことはできません。
 価格は1万2千円くらいです。しっかりした卓上三脚ですが、値段もしっかりしてますね。何十年も前から変わりません。昔は、1万円も出せば写真屋さんが使うくらいの立派な三脚が買えましたから、当時は超贅沢品でした。いまなら、ちょっと贅沢する気になれば買えるけどね。

 先日、100円ショップに行ったら、卓上のミニ三脚が置いてありました。ライカを買うつもりなら百本以上買えます。やっぱりライカの卓上三脚は「超贅沢品」ですかね。

2008/03/14(金)一脚は三脚の一部?

 一脚というものがあります。三脚の脚1本に雲台が付いたやつです。一脚の正しい使い方を知っているひとは、意外に少ないですね。

 一脚は、地面にまっすぐ垂直に立てて使うものではありません。石突を支点にフラフラ揺れて、安定しないからです。一脚は、前に突き出して、自分の二本の脚を足して「三脚」として使います。(一脚がなくても自分は三本足だ!という不真面目なひとはサヨウナラ・・・)

 一脚は、全部伸ばすと、アイレベルよりも高くなるように作られています。前に斜めに突き出して使うためです。もし斜め前に出してアイレベルに達しないものがあったら、それは購入してはいけません。
 雲台は、自由雲台(ボールヘッド)が使いやすいと思います。動く被写体を撮るときは、ストッパーをフリーにしておいて、両手でしっかり構えて使います。一脚は、手持撮影の補助具です。短くたたんで、脇に抱えて使うこともあります。

 一脚を高く掲げて俯瞰位置から撮影すると、面白い写真が撮れますよ。レリーズはセルフタイマーを使います。10秒の間に山勘でフレーミングします。ブレないように、シャッター速度は速めにセットしたほうがいいですね。
 デジタルカメラは、その場で結果が見れますから、ズレていたらやり直します。一脚を地面に垂直に揚げるようにすると、雲台の角度の修正がしやすいです。

 自宅に転がっているのは、VelbonのMUP-3というタイプです。Mark-7の1本脚ですね。結構重くてしっかりしてます。パッキングが2段絞めになっているので、脚の継ぎ目にガタつきがないのが気に入っています。ジッツォもいいけど、この部分のガタは気になりますね。

 余談ですが、Mark-7シリーズのローアングルレバーは、ジッツォそっくりです。どうやらフランスの国内特許らしくて、フランスにさえ輸出しなければ、世界中で堂々と販売できるそうです。
 カーボン全盛の時代ですが、オールアルミの三脚も捨てがたいですね。
OK キャンセル 確認 その他