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2009年05月04日の記事

2009/05/04(月)傘をレンズフード代わりに使う

 前回紹介した、三脚に傘を取り付けるブラケットは、雨天での使用を前提にしています。風でブレる可能性が増すので、シャッターを押すときは、手に持ち替えるのが正しい使い方です。

 傘は雨をしのぐだけでなく、撮影時にはいろいろな使い道があります。
 最も頻度の高い使い道は、レンズフードの代わりにすることです。三脚にセットしたカメラの前方に傘をかざして、日陰を作ります。左手に傘を持ち、右手でレリーズを押します。(手は逆でも構いませんが・・・)

 傘とレンズの距離が離れているので、写り込む心配が少ないのが利点です。レンズがちょうど傘の影に入るようにすれば、まず写り込むことはありません。
 レンズフードの代わりだから、黒い傘がお奨めです。何色の傘でも影ができればいいわけですが、傘の内面反射が微妙に影響するかもしれません。やはり黒が無難です。

 この方法は、写真家・篠山紀信がよく使っていたそうです。直弟子から聞いた話なので、本当の話だと思います。
 いまでは花形フードが当たり前ですが、昔のズームレンズは前玉が回転するので、丸いフードでした。最短焦点距離に合わせた丸型フードは、貧粗なものでした。花形フードでも、最短焦点距離をカバーしているにすぎません。
 プロの目から見れば、純正フードは役に立たないシロモノなんでしょうね。

 傘の中心にはめてあるキャップを外すと、ネジが切ってあります。大抵は1/4インチのネジだから、カメラの三脚ネジと同じです。
 ダイレクトにカメラをつけても、一脚代わりにするには高さが足りません。小型の自由雲台を間に入れて、傘を脇にはさんで使えば、ショルダーストックの代用になります。

 人垣の頭越しに高い位置から撮影するときには、この傘が役に立ちます。フレーミングは山勘ですが、デジタルカメラならすぐに結果が見られるから、何度か挑戦すればモノにできるはずです。
 広げればフード、畳めばブームとして使える傘は、大事な撮影機材のひとつです。
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