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2009年05月16日の記事

2009/05/16(土)フィルムの実効感度

 フィルムは、製造直後から有効期限が切れるまでの間に、実効感度が微妙に変化します。ただし、一般的な撮影では無視してよい程度の変化です。

 これとは別に、メーカーが公表しているISO感度が、実効感度とズレていることがあります。ISO感度は、かなりシビアな測定をして決められているはずです。メーカーがサバをよんでいるとは思えませんが・・・

 FUJIFILMのVelvia50は、実効感度がISO50もないとよく言われました。メーカーのプロ担当によると、計測値では ちゃんと50あるそうです。肉のりのよい濃い目の発色が特徴なので、適正露出でも露光アンダーに見えるのだ・・という説明でした。
 その担当者は、「自分もISO32で撮っている」と言っていたから、やはり「実効感度」は50よりも低いと見るのが正解のようですね。

 インスタントフィルムは、実効感度が公称値よりも高いというのが定説です。露出を決めるときによく使われた、ピールアパートタイプのFPフィルムは、かなりのズレがありました。
 これも実際には公称値どおりだそうです。FPフィルムは、剥離したあとでも現像が進行していて、落ち着くまでに1昼夜かかります。
 テスト撮影して露出を決めるのに、一晩も待てません。めくったときの写り具合で露出を判定します。剥離直後の実効感度は、ISO100のフィルムだとISO125~160はあると見るのが、プロの間では常識でした。

 日頃露出判定にFPフィルムを使い慣れていないひとは、外箱に書いてあるISO感度が実効感度だと思い込んでいます。リバーサルフィルムの実効感度は、公称値よりも低めのことが多いから、まず露出不足になります。
 露出計の出た目が適正露出だと思い込んでいたら、さらに露出不足の要因が増えます。出た目から半絞り開けるのが、スタジオ撮影の定番補正です。

 リバーサルは露光アンダーぎみのほうがいいと、マイナス補正したら もう最悪です。アマチュアっぽく3段階露光したとしても、「適」は1カットもないでしょうね。
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