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2009年05月29日の記事

2009/05/29(金)白無垢は室町時代から

 前回紹介した婚礼衣裳の歴史を語るサイトは、かなりしっかりした時代考証のうえに書かれています。白無垢の打掛は室町時代から続く伝統衣裳だそうです。

 主宰の吉田加奈子氏によれば、「白は新婦の身の清浄を表し 穢れのない姿で神に誓うという意味がある」と言います。「あなた色に何色にでも染まります」というのは、後世の解釈だとか・・・
 一般庶民には、後者のほうがわかりやすくてウケがいいから、いまでは広く伝わっていますが、あとからの「こじつけ」ですね。

 神社で結婚式を挙げるようになったのは、明治以降だと言われています。それまでは自宅で行なうのが慣習でした。
 西洋では、結婚は神に誓うものだから、結婚式は教会で挙げるのが常識です。西洋人の目から見ると、日本人は信仰心のない野蛮な民族に見えたようです。
 それならと、神社で結婚式を挙げるようになったというのが定説です。前述のサイトによれば、一般庶民がこれに倣うようになったのは、明治33年の皇太子(大正天皇)の御成婚がきっかけだとか・・・

 それまでの結婚式は、新郎宅の「床の間」がある座敷で行なっていたそうです。床の間の由来は、「神々や祖霊を祀る場」というから、自宅でやったからといって信仰心がないわけではありません。日本と西洋の宗教観の違いですね。

 婚礼衣裳の主流が、白無垢や色打掛からウェディングドレスに替わったのは、ダイアナ妃の結婚式がきっかけと言われています。(本来はチャールズ皇太子というべきか・・)
 ウェディングドレスは、教会式の正装です。神社でドレスというわけにいかないから、教会で結婚式を挙げるカップルが急増します。
 結婚式場もホテルもこぞってチャペルの新設に走りました。日曜ミサをやらない、結婚式に特化した「ブライダル教」のチャペルです。

 ウェディングドレスを着たいから、神社をやめて教会で・・・ やはり日本人は信仰心のない民族なのかもしれません。一般市民が神社に詣でるのは、せいぜい年に一度の初詣くらいでしょうか?
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