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2009年05月28日の記事

2009/05/28(木)婚礼衣裳の変遷

 冠婚葬祭といえば、衣裳やしきたりに煩いひとがいて、必ず あーでもない こーでもないと 能書を言うものです。
 その歴史と由来を知っているひとは、意外に少ないようですが・・・

 人は自分の一生の内でしか物事を実感することができません。もの心がつく前の出来事は、誰かに教わるか自分で調べて知識を身につけることになります。
 写真の歴史が170年ではなく、1700年だったら、もっとビジュアルな形で、過去の風俗が記録として残されていたと思います。いまでは、わずかに残された古文書や絵から類推するしかありません。

 冠婚葬祭の衣裳が大きく変わったのは、明治維新以降のようです。明治政府が、それまでの着物から西洋式の洋服に切り替えたのが、現在まで深く影響を与えています。

 一番変わったのは、葬祭の服装です。葬式に黒い衣裳を着る習慣は、西洋に倣ったからだと言われています。それまでは、葬式の着物は白だったとか・・・
 諸外国の来賓の前で、白い着物を着ていたのでは、日本は文明に遅れた野蛮な国だと誤解される・・そんな意識が働いたのでしょう。洋服だけでなく、着物も黒を着るように政府が指示を出しました。

 封建時代から冠婚の衣裳は黒だったので、冠婚葬祭はすべて黒い衣裳になりました。当時の黒留袖は、裾に柄は入っていなかったようです。
 葬式と同じでは・・と思ったのか、めでたい席の衣裳ということで、裾にチョロっと飾りを入れるひとが現れました。それが結構うけて、呉服業界あげて裾柄入りの黒留袖を売り込みます。
 現在の留袖は、古来からの継承ではなく、近代になってから普及したというのが通説です。

 婚礼衣裳の変遷については、いろいろな説や解釈があるようですが、参考までに下記サイトを紹介しておきます。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/manabi/japanese_070511.html%3c/a
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