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2009年05月21日の記事

2009/05/21(木)黎明期の写真の価値

 写真が発明されてから、まだ170年ほどです。日本では江戸時代後期にあたります。そのころの日本は鎖国状態でしたが、幕末には写真技術が入ってきました。

 写真が残っていなかったら、坂本竜馬や高杉晋作は、いまほど有名ではなかったかもしれません。文字や伝聞よりも、ビジュアルな写真画像の持つインパクトは強力です。
 西郷隆盛の写真は、実は本人ではない・・という説があります。研究者がいくら力説しても、写真という形で伝承されたイメージは、なかなか払拭できません。

 エジプトのピラミッドと侍の一団が一緒に写っている写真は、興味深いですね。幕末の時代に、船ではるばるヨーロッパまで行った使節団の一行です。着物姿では、さぞかし暑かったことでしょう。
 エジプトに寄ったのは、観光でしょうか? 海外出張に観光が絡むのは、昔も今も変わりませんね。

 このころ撮られた写真は、被写体にかかわらず貴重な資料です。例え無名の人物でも当時の衣裳や風俗がわかるし、景色や町並みは現在とは違います。写真の本質的な価値は、その記録性にあります。

 地域ラボのオーナーで、明治時代に撮影された写真のコレクションを写真集にしたひとがいました。なかを見ていて不思議に思ったことがあります。庶民の日常風景でも、皆ポーズをつけてかしこまって写っています。
 当時写真は珍しいものだったし、露光時間も長かっただろうから、現在のスナップ写真とは趣きが異なります。

 コレクションのなかには、外国人向けのお土産用に撮られたものが多数あるようです。絵葉書ですね。横浜には、それ専門の写真屋があったとか・・・
 目的は何でれ、当時を知る貴重な資料です。
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