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2009年05月26日の記事

2009/05/26(火)黎明期の写真ライブラリー

 手元に写真集がなくても、幕末から明治にかけての写真が見られるウェブサイトがあります。「長崎大学附属図書館」です。

 写真伝来の地であり、上野彦馬の出身地でもあるだけに、膨大なコレクションを所持しています。彦馬撮影のカットも見ることができます。
 有名な坂本竜馬や高杉晋作の写真がないのは、おそらく版権の問題でしょう。それでも、彦馬が撮影した風景写真なども見ることができて、興味深い内容です。

 写真集「明治ジャパン」に載っている写真もいくつかありました。
 外国人のお土産用に撮られた風俗写真は、ほとんどが「撮影者未詳」となっています。誰が撮ったかではなくて、何が写っているかのほうが重要視された写真です。
 一方、風景写真は、撮影者の名前がわかっている写真が何点かあります。原板が散逸せずにまとめて残されたのか、同じ作者名が続けて登場します。

 紹介されている写真の多くは、「カラー写真」です。もちろん当時はカラー写真は撮れません。「人着」といって、プリントに絵の具で色をつけたものです。お土産用の絵葉書だったことがわかります。
 この技法は、カラー写真が一般に普及する以前、昭和30年代まで使われていました。写真屋は絵描きでもありました。
 戦後生まれでも幼いころの写真のなかに、人着された「カラー写真」が混ざっていることがあります。一度アルバムを開いてチェックしてみては?

 寺社仏閣や名所旧跡の写真も数多く見られます。現存する建物もあるから、定点観測撮影が可能です。
 自分の郷土の写真が見つかったら、挑戦してみてはいかがでしょうか? 写真の本質が記録だということが、再認識できると思います。
http://oldphoto.lb.nagasaki-u.ac.jp/jp/%3c/a
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