メッセージ

2009年05月18日の記事

2009/05/18(月)3段階露光

 リバーサルフィルムを愛用するアマチュア写真家は、露出を変えて何段階か露光します。ラチチュード(適正露出の許容範囲)が狭いからです。

 半段(1/2EV)ステップで3段階露光するひとが多いようです。カメラが選んだ適正露出の前後も押えておくことができます。
 風景写真を撮り込んだアドアマは、1/3EVステップを好んで使います。半段差では、どれも外れになることがあるというひとがいますが、2コマのちょうど中間が「適」だったとしても1/4EV差です。商品写真でもない限り、そこまでシビアに考える必要はない気がしますが・・・
 それとも、スライド映写用とプリント用の2枚をゲットしたい・・という思惑からでしょうか?

 アマチュアと違って、プロは段階露光はしません。一度露出を決めたら、同じ露出で最後まで通します。露出の微調整は、現像処理で行います。
 プロラボは、アマチュア相手のラボと違い、増減感処理をしてくれます。「切り現」といって、フィルムの先頭数コマをまず標準現像します。その結果を見て、1/2EV増感とか1/3EV減感とか指定して、残りをすべて現像します。ほぼすべてが適正露出の原板を手に入れることができます。同一条件で大量に撮るスタジオ撮影では、効率のよい方法です。

 スタジオ撮影と違って屋外での撮影では、プロでも段階露光をするかもしれません。1場面あたりのカット数が少ないと、「切り現」できません。
 それでも段階露光することは稀です。理由は、フィルムのフォーマットが大きいからです。最低でもブローニーの6x7を使います。120で10カットしか撮れないから、1場面で1本流して頭の1~2コマを「切り現」します。

 風景写真は、ブローニーでは撮影料金が取れないので、シノゴ(4x5インチ)を使います。露出計でアチコチ測って、適正露出を決めます。カットホルダーは裏表2カット撮れます。2枚とも同じ露出で撮影します。
 なぜ露出を変えないかというと、1枚現像してみて過不足があれば、もう1枚を増減感指定して現像するためです。2枚とも同じ露出でないと、この方法は使えません。

 最初に現像した原板が「適」だったら、残りの1枚は現像せずに廃棄します。もったいない気がしますが、現像したら現像代が余分に掛かります。
 オリジナルとしての価値は、元の原板が1枚しかないから成立します。同じ物が2枚も要りません。
OK キャンセル 確認 その他