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2011年04月02日の記事

2011/04/02(土)旧レンズの解像力

 フィルム時代のレンズの解像力は、その時代のフィルムの解像力を基準にしています。微粒子と言われるベルビアがハイコントラストチャートで 160 本/mm、高精細のモノクロのネオパン 100 ACROS でも同 200 本/mm 程度です。
 これらに対応しているレンズは、かなり高級な部類に属します。一般のネガカラーは、ハイコンチャートでも 1mm に 100 本程度です。

 フィルムの解像力を測るには、その倍程度の解像力があるレンズが必要だと言います。同様に、レンズの解像力をテストするには、その倍程度の解像力のあるフィルムが必要だそうです。
 どんな矛(ほこ)も通さない盾(たて)と、どんな盾も貫く矛・・なんだか矛盾(むじゅん)の例えみたいな話です。

 2400 万画素の APSC サイズの CMOS が、1mm あたり 250 ドットとすると、解像力は半分の 125 本/mm になります。黒い線1本を識別するためには、最低でも2ドット分(黒い線と白い線)の幅が必要だからです。
 フィルムはアナログだから、かろうじて判別できる線でも1本としてカウントされます。一方、デジタルの線1本は、紛れもなく1本の線です。単純に数字だけで比較すると、判断を誤ります。

 135 フルサイズのベルビアは、実質 2200 万画素相当とはならないはずです。ローコントラストチャート時(80 本/mm)の 550 万画素相当以上であることは間違いないと思いますが・・・

 実際には、2倍の解像力は必要ないみたいですが、最近になってレンズの解像力が話題になるのは、デジカメの高画素化が関係しているようです。
 フォーサイズやマイクロ 4/3 の高画素化と、アダプターを介していろんなレンズが使えるようになった結果だと思います。

 高画素化をカバーするためにレンズの解像力を上げると、コントラストの低下を招きます。それを画像処理エンジンでカバーして、メリハリをつけるわけですが、アナログ時代のレンズとの相性は悪くなります。
 マニュアル接続のオールドレンズは、カメラの設定(例えばノイズリダクション等)を変更したほうがいいかもしれません。
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